忙しかった日本滞在
葉蘇霖さん 今世紀に入り百花斉放の感がある中国選美(ミスコン)だが、ひとつだけ欠点がある。毎年安定的に継続して催行されるイベントが少ないことだ。
中国選美の老牌(草分け)である美在花城(広州)やCCTV模特電視大賽(北京)が途切れているほか、歴史ある武漢小姐(武漢)、星姐(長沙)をはじめ、中国の特色あふれる高清麗人(陝西)、僑郷麗人(広東江門)北部湾形象大使(堪江・北海・三亞など12都市など)の近年の催行が確認できない。他方で東方小姐(上海)大連小姐(大連)は今年も行われているほか、昨年香港で途切れた亞洲小姐が、広州で全国校園賽区(ミスキャンパス)として復活するなど、よくわからない世界でもある。
近年の流行りは、世界旅游小姐・城市旅游小姐・中国旅游小姐・中華旅游小姐・世界旅游文化小姐・国際旅游文化小姐など、「旅游」を冠したものが多いことだ。これには当局の許認可や賛助公司(スポンサー)の意向など、複雑な要素がありそうだ。ミスコンイベントには莫大な費用がかかり、冠名公司(メインスポンサー)をはじめ賛助商(協賛企業)集めが成否を握る。イベント期間中に著名な観光地や企業訪問が組み込まれているのもこのためだ。
今回ご紹介するのは2016国際小姐(ミス・インターナショナル)マカオ代表の葉蘇霖(イップ・スリン)さん。澳門大學科学技術学系の大学生だが、既にモデル活動を始めており、世界大会では堂々とした猫歩(キャットウォーク)が光った。彼女も滞日期間中は世界各国の代表たちと栃木県日光市、新潟市、静岡市、神奈川県箱根町など各地を訪問し、忙しいスケジュールをこなしていた。10月24日には噴火の影響でながく立ち入り規制がしかれていた箱根大涌谷を訪れ、ご覧のとおり安全ぶりのアピールである。 【訂正】前回掲載の文室理恵さんの記事で「10歳まで…昆明の小学校で学んだ」を「10歳から…中国の学校で学んだ」に訂正します。 (このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお) 1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。 |
|
|