香港大学李嘉誠医学院微生物系愛滋病研究所が率いる研究チームが4月26日、エイズウイルス(HIV)の予防と治療を兼ねる新薬を開発したと発表した。4月27日付香港各紙によると、DNA技術を利用し開発した新型の抗体「BilA―SG」は、ウイルスを抑制するとともに、ウイルスが「CD4+T細胞」に感染するのを阻止する効果があるという。ラットを使った試験ではHIVの124種のウイルス株の予防に成功。ウイルスに感染したラットでは、2週間後に抗体が生まれ、42%のラットは体内からウイルスが消滅したという。将来的に臨床治療に使う抗体薬物としての適用に期待がもたれている。政府当局の資料によれば、香港のHIV感染者数は2009年には4443人だったが、17年は9091人まで増加。治療薬の費用は毎年5億5000万ドルに達している。また、薬物の副作用やウイルスの耐性の出現も問題となっている。【関連記事】https://www.hkpost.com.hk/20170906_3318/