4月3~17日のニュースから抜粋

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43~17日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)


■選挙主任に日本から脅迫状

 立法会補欠選挙で候補者の出馬資格を認めなかった選挙主任らに日本から脅迫状が届いたことが分かった。3月29日付香港各紙によると、脅迫状を受け取ったのは鄭若驊・司法長官、選挙主任の鄧如欣氏(香港島選挙区)と陳婉雯氏(新界東選挙区)、それに多くの立法会議員。鄭長官と選挙主任2人が受け取った脅迫状の差出人は「近畿地方中華文化を愛するの会。」で、所在地は大阪。あて名には「香港国香港市」などと書かれている。脅迫文は中国語のほかに日本語で「デモシ・本土党派・選民に謝罪しろ! 鄭法務長官・選挙長を暗殺しよ! 親中共政団とも、世界から消えろ!」などと書かれているほか、同封のチラシに「重要指名手配」として3人の写真が載せられ、選挙主任はそれぞれ500ドル、鄭長官は1500ドルの懸賞金がかけられ「打っ殺す」と書かれている。韓国語のチラシも同封されていた。親政府派議員の大部分が同様の脅迫状を受け取ったほか、区諾軒氏は同じ差出人から「祝賀 議員職当選」と書かれた手紙を受け取った。警察は27〜28日に計5件の通報を受け、刑事脅迫として捜査しているほか、日本当局にも協力を依頼した。

■ピークの公衆トイレに改善要求

 香港の観光名所として知られるビクトリアピークだが、公衆トイレが汚すぎると議員から改善要求が出された。3月29日付香港各紙によると、問題のトイレは展望台のある凌霄閣(ザ・ピーク・タワー)地下2階の公衆トイレ。2015年と16年は各8件だった苦情件数が17年には14件と急増したという。苦情内容は不潔さに加え、数も少なく毎日行列ができ、施設の破損もひどく使用に耐えないというもの。同トイレは今年の第3四半期中の改修工事が決定しているが、旅行業界選出の姚思栄・立法会議員は「工事に伴うトイレ不足が一層深刻になることが予想される」とし、食物及衛生局の陳肇始・局長に対してトイレの新規増設などの対処を求めた。陳局長は周辺の商業施設や公園にもトイレは十分にあるとして、新設に関しては拒否したが、臨時の仮設トイレは導入すると回答。また、清掃員を常駐させて定期点検と清掃業務を強化すると前向きな姿勢をみせた。

■港珠澳大橋シャトルバスは80ドル

 早ければ年央に開通する港珠澳大橋だが、運輸署は港珠澳大橋開通後にシャトルバス2路線(香港—珠海、香港—マカオ)の運行を計画している。このうち香港と珠海のボーダーを結ぶシャトルバスの料金が、片道80ドルになるもようだ。3月31日付『星島日報』などが、シャトルバスサービスを提供する「広東港珠澳大橋穿梭巴士有限公司」の取締役の談話として、料金を片道80ドルで考えていると伝えた。運輸署によれば2路線の料金はシャトルバス運営会社によって設定されることになっており、決まれば広東、マカオ、香港三地の政府から公表されるという。運行間隔は、ピーク時は5分に1本、ピーク時でなければ15分に1本、夜間は15〜30分に1本で、所要時間は40分の予定。しかし実際には利便性が向上するかどうかは疑問だ。シャトルバスのターミナルは市中心から離れた橋の人工島に置かれるため、市民はまずエアポートバスに乗って空港近くの人工島のバスターミナルに行き、その後珠海へ向かうことになる。エアポートバスとシャトルバスの運賃は合わせて約120ドルとなり、香港市内から珠海までの所要時間は少なくとも80分はかかるという。現在、香港—珠海の往来には、チムサーチョイと珠海九洲港を結ぶ運賃240ドル、所要時間70分のフェリーを使う、あるいは運賃約130ドルで所要時間4時間の直通バスを使うというルートがある。

■太空館、2つの展示室がリニューアル

 チムサーチョイにある香港太空館(スペースミュージアム)の2つの展示室が改装工事を終え、4月25日に再開する。4月1日付香港各紙によると、民政事務局によるこの2つの展示室のリニューアルについては、2008年に立法会が公費から3200万ドルの拠出を承認したものの、工事の請負業者の公開入札などで長い時間を費やし、15年10月になって着工。2年半にわたり閉鎖し、このほど工事が完了した。新たな展示は100点余りに上り、そのうち約7割がインタラクティブやマルチメディア展示だという。前回1Fの展示室がリニューアルされたのは1991年のことで、その当時に比べ今回は中国の宇宙開発事業に関する展示が多くなっている。例えば、酒泉衛星発射センターの1:350サイズの模型を使ったロケット発射の解説や、中国初の宇宙飛行士である楊利偉が着用した青いユニホームなどが参観できる。また、国際宇宙ステーションでの滞在を約2分間疑似体験できる展示もある。7つの投影機による同じ画面を組み合わせて作られており、無重力を感じることができるそうだ。2つの展示室のキャパシティーは計400人で、混雑回避のため、リニューアルオープン後はしばらく入場制限を行い、2時間ごとの入れ替え制にするという。太空館の通年の入場者数は、展示室閉鎖前は80万人だったが、今後は1割ほどの増加を見込んでいる。

■バスおたく高じ設備品窃盗で禁固2年

 昨年発生したバスマニアによる窃盗事件で逮捕された郭俊廷・被告(19)に対し、禁固2年の判決が下った。4月7日付香港各紙によると、事件は2017年2月に発生。郭被告とその友人2人が屯門内のバスターミナル3カ所の事務所に侵入し、行き先表示板27枚と路線図3枚を盗んだとして逮捕されたという。友人2人は罪を認めておらず7月の公判待ちだが、罪を認めていた郭被告にだけ先に判決が言い渡された。盗んだものが価値の無いものであるにもかかわらず、異例とも言える判決だが、蘇文隆・裁判官は「犯行が工具などを使い、計画的だったことを重く見た」と判決理由を述べている。なお、被告を含み3人とも九龍バス勤務の経験があるほどのバスマニアで、なかでも共犯の1人は廃車になったバスを数年前に購入しており、郭被告も「今回の盗品もそのバスに飾るつもりだった」と自供している。

■マック難民らが福祉対策の改善要請

 立法会福利事務委員会が、いわゆるマック難民など激増する路上生活者への対策や支援を話し合う会議を開催。これに合わせ、香港社区組織協会と当事者である路上生活者の代表9人が特区政府社会福利署に意見書を提出、福祉の改善などを求めた。4月10日付香港各紙によると、具体的な要請としては路上生活者用宿泊施設の滞在期間延長と、施設の収容人数の拡大。現状では滞在可能な期間は最長で半年だが、マック難民歴1年の陳さんは「半年では何の問題も解決しない。少なくとも2~3年は認めてほしい」と話す。また立法会議員からも施設の収容人数の不足を認める声も上がっている。工党の張超雄・議員は「特区政府系の施設でベッドの総数は222人分、NGOで418人分あるが、両者合わせても1000人以上といわれている香港の路上生活者を全員収容できない」と指摘した。現在、社会福利署では今年2月までの路上生活者の実数を1091人としており、また香港社区組織協会ではマック難民が過去5年間で6.7倍に増えたと主張している。

35%が香港人と中国人の身分相容れる

 新民党は4月10日、香港教育大学香港研究学院に委託した青少年の国民意識に関する調査の結果を発表した。11日付香港各紙によると、調査は昨年10月10日から今年2月15日、高校1〜2年生1279人を対象に行われた。調査の結果、中国本土を訪れたことのある青少年は95.1%、簡体字を読める青少年は85%、微信(ウイーチャット)のアカウントを持っている青少年は68.9%、毎日のように本土のウェブサイトを使用する青少年は46.3%に上った。国民意識について「香港人と中国人の身分は相容れるか」との問いに対し「不可能」が28.3%、「半々」が36.6%、「可能」が34.9%となり、「中国は将来、世界の強国になるか」については「不可能」が15%、「半々」が27.1%、「可能」が57.9%となった。また「将来、国務院外交部で仕事したい」は17.6%、「将来、中国人民解放軍に入隊したい」は9.9%だった。

■ワッツアップ乗っ取り詐欺が急増

 スマートフォン用のチャットアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」を悪用した詐欺が急増している。4月12日付香港各紙によると、その手口とは同アプリのアカウントを乗っ取り、その連絡先にある友人や知人に対し虚偽のメッセージを送り金銭を要求するもの。具体的には台湾製アプリの「マイカード」のポイントの購入を依頼し、その番号とパスワードが記されたレシートなどの写真を送付させてポイントを奪う方法。被害金額は数百~数千ドルとまちまちだが、最高で12万ドルを騙し取られた女性の被害も確認されている。チャットアプリを悪用した詐欺事件の件数は今年の第1四半期だけで270件と昨年通年の266件に迫る勢いで、被害金額も260万ドルと昨年通年の210万ドルを2割以上も上るほど急激に広がっている。警察では市民に対し二段階認証の徹底など自衛を呼びかけている。

■報道の自由指数、依然及第点に届かず

 香港記者協会は4月11日、2017年の「報道の自由指数」を発表した。12日付香港各紙によると、2013年から始まり5年目となったこの調査は香港大学民意研究計画に委託し、1月に電話を使ったインタビュー形式で市民1033人、1〜2月にアンケート用紙を使って報道機関職員520人を対象に行われた。17年の報道について各項目で100ポイントを満点として評価したものだ。市民の「報道の自由」に関する評価は前年の48ポイントに比べて低下し、過去最低の47.1ポイントとなった。報道機関職員による評価は前年の39.4ポイントより上昇し、40.3ポイントとなったものの、及第点とされる50ポイントを依然下回っている。また、報道機関職員の73%が前年よりも報道の自由が縮小したと回答している。

■フィリピン大統領、人質事件で謝罪

 2010年8月にマニラで多数の香港人犠牲者を出したバスジャック事件から8年が過ぎたが、非公式に香港を訪問したフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は4月12日、初めて事件について謝罪した。13日付香港各紙によると、大統領は11日に在港フィリピン人コミュニティー関係者と面談した際、「フィリピン大統領およびフィリピン国民の代表として正式に謝罪する(apologize formally for you)」と述べた。特区政府スポークスマンは「この謝罪が犠牲者の遺族や負傷者、その家族への慰めになることを望む」とコメントした。遺族の1人は「8年後の謝罪は遅いが、死傷者の家族にとってもフィリピンの観光業にとっても良いことだ」と話す一方、生還者の1人は8年後の正式謝罪では意義が小さいと話している。当時大統領だったベニグノ・アキノ3世とマニラ市長のアルフレード・リム氏は謝罪を拒否。その後13年にジョセフ・エストラーダ現マニラ市長がマニラ市政府として謝罪し、翌14年にはフィリピン政府が哀悼の意を表するとともに被害者や遺族に額外の慰問金を出すとの声明を発表したが、大統領による正式な謝罪は初めて。

■海外で5GB、198ドルのスマホプラン

 香港寛頻が香港内の3GBに加え、海外でも5GBのデータ通信が可能な低価格の定額4Gプランを発表した。4月13日付香港各紙によるとプラン名はグローバルフォーン(必殺環球数據服務計画)。月々の料金は218ドル(2年縛り)で、前記のデータ量に加え香港域内50時間分の通話が提供される上に、他社からの移転加入者には追加で2GBもサービスされるという。特に香港電訊傘下のcsl、1010、サンモバイルからの移転加入者はさらに安い月198ドルで契約できる。なお、スマートフォンは無料で提供されるが機種は指定できず、他のスマホには対応していない。同社の楊主光・行政総裁は「香港電訊の顧客を狙い撃ちしたプラン」とストレートに語り、「香港市民のうち300万人が毎年香港から外に出かけている。この1年内にその中の5〜10%程度、25万人くらいの顧客を新たに獲得したい」と抱負を述べた。

■スマイル指数、過去最高のワースト5位

 香港のサービス業には笑顔が欠けており、世界を対象にした調査でいつもランキングが低かったが、最新調査ではワースト5位に上昇。初めてワースト3から脱却し香港としては過去最高の評価となった。4月13日付香港各紙によると、これはミステリーショッパーサービスアソシエーションが発表した「2017—18年スマイリングリポート」で明らかになったもの。調査には50カ国・地域が参加し、サービス業界での笑顔などを評価した。香港では2000人余りが36業界を対象に調査。笑顔を評価した「スマイル指数」で香港の評価は66ポイント。前年の調査より2ランク上昇し、29カ国・地域の中で25位となった。ちなみに世界平均は82ポイントで、1位は英国の94ポイントだ。一方、業種別では、香港でスマイル指数が最も高かったのは通信サービス業で、77ポイント。最も低かったのは運輸・交通サービス業の23ポイントだった。

■九龍バス、赤バスの新車両投入

 九龍バスが新車両の投入を発表した。4月16日付香港各紙によると、新車両は同社が「紅巴2.0」の愛称で呼んでいるもので、赤い塗装が施されたマレーシアの順豊客車(GML)製。以前の車両からの改良点は多いが、外見ではまず車体の前後と側面にある行き先(番号)表示が夜道などでも見やすいLCD(液晶ディスプレイ)となった点が挙げられる。車内ではディスプレイが設置され路線図やバス停案内を表示、将来的には終点到着の予測時間も表示される見込みだという。また座席はイタリア製で、薄くなったぶん脚を伸ばせる空間が広がっている。投入されるのは当初は4台のみで、4月末までには香港に納車される予定。運輸署の車検通過を待って、年内の本格運行を目指す。

Cella Masumi、「真澄酒セミナー」開催

 Cella Masumi Asia Limitedは4月13日、「真澄酒セミナー」「酒ペアリングディナー」などをフォーシーズンズホテルマカオで開催した。同社は2005年に香港に設立された日本酒専門卸会社。長野県に355年続く蔵元「真澄」を作り続けている「宮坂醸造株式会社」により厳選された商品を直接仕入れている。今回は「真澄」ブランドを使用した日本酒セミナーや28日まで同ホテル「Windows」で開催された日本酒&タパスのプロモーションベント、さらにミシュラン星レストラン「紫逸軒」でペアリングディナーが開催された。宮坂醸造株式会社社長室室長・宮坂勝彦氏は「香港は日本酒の人気は高いもののまだまだ。こうしたイベントなどを通し少しでも多くの方に日本酒の知識と理解を深めていただければ」と話した。
(写真:楢橋里彩)

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