石佳さん
中国を代表する歌舞団で活躍中
2017年11月に丸善出版から刊行された『華僑華人の事典』(定価21,600円)は593ページに及ぶ現代日本の華僑華人研究の集大成である。そのフロンティアを扱う章で、筆者は「ミスコンテスト」というコラムを書かせていただいた。1970年代に始まる香港小姐を起点に、今世紀に中国全土はおろか、広く海外華人社会に歓迎された中華圏選美文化の概要を歴史的にたどる貴重な機会となった。紙数の関係で概略しか書けなかったが、中国人・華僑華人のミスコン好きが伝わってくれば望外の喜びである。
今回ご紹介するのはその中国で新進ダンサーとして注目される石佳(シー・ジア)さん。黒竜江省の出身で、幼い頃から舞踏ひとすじ。北京舞踏学院で現代舞と古典舞を学び、数々の賞を総なめしてきた。現在は全総文工団歌舞団でダンサーをつとめる。
そんな彼女が2017年の国際小姐中国大賽で冠軍(優勝)に輝き、東京で開催されたミス・インターナショナル世界大会の出場切符を手にした。さすがにプロのダンサーだけあって、どんな衣装をまとってもポージングが抜群。鍛え抜かれた伸びやかな肢体も筆者に強い印象を残した。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)
1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。