映画の撮影で小道具として使用された偽札を保管していたスタッフらが「偽紙幣保管罪」で香港警察に逮捕され、銀幕業界に衝撃が走っている。1月5日付香港各紙によると、起訴されたのは映画製作会社で小道具を担当する男性A(47歳)と、ネットムービー製作を目的に偽札を借りた男性B(35歳)で、このほど裁判が始まった。2016年に警察の商業犯罪調査課の捜査員がB被告の自宅を家宅捜索した際に、被告の妻の車の中に額面1000香港ドルの偽札9996枚があるのを発見。その数日後に、該当の偽札をB被告に貸し出した映画製作会社で香港ドルや人民元、米ドル、英ポンドなどの偽札計22万3000枚が見つかり、それを管理していたA被告も逮捕された。これらの紙幣は第36回香港電影金像奨で作品賞など5つの部門賞を受賞した『樹大招風(体重は風邪を招く)』や古天楽(ルイス・クー)主演作『迷城(ワイルド・シティ)』などの映画の撮影で使用されたものという。紙幣の複製は政府金融管理局への申請が必要だが、同社では申請していなかった。しかし、映画関係者の話では、警官の制服やけん銃などの小道具は「電影服務系籌科(FSO)」への使用許可の申請が必要で申請項目にも含まれているが、紙幣に関しては項目がなく、これまで政府当局への申請が必要だとは認識していなかったという。【関連記事】https://www.hkpost.com.hk/20170811_2716/