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10月9~19日のニュースから抜粋(月~金曜に毎日配信)
■「ジェニー・ベーカリー」の偽物摘発
香港税関は先ごろ、「ジェニー・ベーカリー」の缶入りクッキーの模倣品4600缶を摘発した。10月5日付『大公報』によると、9月29日に中国本土から香港へ入境するトラックの積み荷の中から見つかったもので、4608缶は市価32万ドル相当になるという。ジェニーという名前が印刷されたテディベアの絵柄の缶に入っていたが、同店ではクッキーは香港製造しているのに対し、見つかったクッキーは別の場所で製造されており、模倣品とみられている。税関では所持していた男性を逮捕し捜査を進めている。
■顔認識でイミグレ通過、空港で開始
入境処が出境する外国人向けの自動化ゲートをイミグレーションに新たに設置、10月10日から運用を開始した。同日付香港各紙によると、自動化ゲートの通称は「離境易/スマートデパーチャー」。従来の「e—道」ゲートにスキャナーとカメラを設置したもので、パスポートの顔写真とカメラの画像を照合し審査するシステムだという。所要時間は約20秒と、有人カウンターに比べ半分の時間で済むのが特徴だ。使用条件は満11歳以上で、入境処と国際民間航空機関(ICAO)が指定した国・地域のICパスポート所持者で、特別な申請などは不要。ただ、マスクや太いフレームの眼鏡などは外す必要があり、また美容整形や怪我などで入境時と顔が異なる場合は判別ができないため有人カウンターでの審査となる。
■国歌にブーイング、代表への処分危惧
香港で行われたサッカーの国際試合で観客が中国国歌にブーイングを浴びせたことから香港サッカー協会(HKFA)と香港男子代表が国際サッカー連盟(FIFA)あるいはアジアサッカー連盟(AFC)から厳重な処分を受ける可能性があり、立法会議員からは国歌法の香港での立法を促す声も出ている。10月7・11日付香港各紙によると、7日に開催されたラオスとの親善試合で観客による中国国歌への侮辱行為があり、続く10日のアジアカップ予選(対マレーシア)でもブーイングや「香港独立」の横断幕を掲げるなどの行為が見られた。2年前には香港で行われたワールドカップ予選で数試合続けてこうした観客のマナー違反があり問題視されていた。今回は厳罰に処されることが予測され、香港代表の次の試合が無観客試合とされる恐れがあるという。
■中環のオフィス賃料、今年は6%上昇
中環地区の高級オフィスの賃料が最高値を更新したことがわかった。10月13日付香港各紙によると、これは不動産コンサルタントの戴徳梁行(DTZ)が発表した第3四半期の統計調査によってあきらかになったもの。同期における香港全体の高級オフィスの平均賃料(1平方フィート当たり)は80.5ドルと前期比0.3%でわずかに上昇したのみ。中環地区も同0.5%上昇と伸び幅自体は全体平均と同様大きくないものの、その価格が126.6ドルと過去最高を記録したという。DTZの蕭亮輝・董事総経理は「同期の契約のうち中国本土資本の法人がわずか4%だった。
■「日本城」、重量虚偽で罰金
日用品や家庭用品を扱う小売りチェーン「日本城」で販売していた商品の重量に虚偽が見つかり、先ごろ罰金刑を受けた。10月13日付香港各紙によると、問題となったのはラベンダーやレモンなどの香りがする防虫剤・防臭用品3種。税関職員が支店数店舗で客のふりをして購入した商品が、包装に記されていた内容量と実際の重量が異なることを発見。480グラム入り商品は実際には386.3〜451グラムで、240グラム入り商品では実際は204.2〜213.8グラムしか入っていなかった。国際法では質量の誤差は、240グラムの商品ならば18グラムを、480グラムの商品ならば28.8グラムを超えてはならないと定められており、今回見つかった商品の最大誤差は93.7グラムと国際基準を大きく上回っていた。税関から商品説明条例違反として税起訴された同社は、該当の商品は揮発性であり、プロバイダーが製造後すぐに包装しなかったため揮発してしまい誤差が出たと主張しつつも罪状を認め、10月12日に行われた裁判で3万2000ドルの罰金が言い渡された。
■LCCのCA、3日6便の激務で倒れる
大型連休直前の欠航で人手不足が露呈した香港エクスプレス航空だが、今度は客室乗務員(CA)が激務の末に過労で入院していたことがあきらかになった。10月15日付香港各紙によると、倒れたのは女性のCAスタッフ。8日からの3日間連続勤務で、名古屋便やシェムリアップ(カンボジア)便、寧波便など国内線と国際線計6便に乗務。その3日目になる10日早朝6時、香港国際空港で、上司から命じられたスタンバイ(待機業務)中に意識を失い病院に運ばれたという。民航条例ではフライトの間の非番の時間を最低でも10時間設けるよう規定しており、違反の可能性も指摘されたが、同社の広報はマスコミの取材に対し「規定の非番時間は厳守しており問題は一切ない」と批判をかわした。一方、航空関連の労組である空勤人員総工会の王宇・幹事は「10時間といっても、香港にいる場合は通勤時間や出勤前の準備のための時間も非番に含まれ、休息時間はもっと少なくなる。疲労を理由に乗務命令を拒否する職員もいるが、査定に影響するのが実情。管理職は意識を変えてほしい」と訴えた。
■第一世代が失効、オクトパス切り替え
第一世代のオクトパスカードが2018年1月20日から順次失効するため、八達有限公司(オクトパスカード・リミテッド)が早めに新しいカードへ切り替えるよう呼び掛けている。10月18日付香港各紙によると、同社では15年からセキュリティーとNFC技術が向上した新しいカードへの切り替えを呼び掛けているものの、流通する約200万枚の第一世代カードのうちこれまでに回収できたのは80万枚。回収率はわずか40%となっている。そこで10月17日から第一世代カードを使用すると「Dood〜Dood〜Dood」という電子音が鳴って所持者に注意を促すことになった。18年1月20日に失効するとそのカードは使用できなくなるが、新カードへの交換と残額およびデポジットの移行は可能という。
「日本秋祭in香港」開幕式に林鄭長官
中環の交易広場3階「Rotunda」で10月10日、「日本秋祭in香港—魅力再発見—」開幕式が開催された。2回目を迎える同イベントは香港特区設立 20 周年記念イベントとしても認定され、約2カ月にわたり日本の文化団体、学校、企業、地方自治体などが協力して公演・芸術、映画、飲食、スポーツなど様々なイベントを行う。開幕式会場には来賓として林鄭月娥・行政長官が参加。黒沢明監督作品など日本映画を好み、日本通としても知られる林鄭長官はスピーチで「香港からの日本への観光客数は年々増え、昨年は前年比21%増だった。香港と日本の緊密性が高まり、2020年にむけてさらに増加すると期待する」と述べた。会場にはNHKキャラクターで知られる「どーもくん」も登場した。(写真:楢橋里彩)