『香港ポスト』は1987年に香港初の本格的な日本語新聞として定期発行をスタートさせ、今年創刊30周年を迎えました。読者の皆さまと関係各位にこの場を借りて御礼申し上げます。当初は週2回発行、その後長きにわたる週刊発行を経て、2008年からはフリーペーパー、09年からは隔週へと転換。その間、香港ではさまざまな出来事がありました。今回の特集では時勢を象徴するような当時の記事とともに30年を振り返ります。（構成・編集部）
創刊時より政治、経済、社会、文化、芸能などは幅広く取材。1996年の尖閣問題では連日続いた反日デモの詳細を報じて書店では売り切れとなり増刷した。返還間近にはリレーインタビューで若き日の「長毛」こと社民連の梁国雄氏や范徐麗泰（リタ・ファン）臨時立法会議長（当時）が登場。人気連載では香港の実業家・大富豪が登場する「財閥列伝」は97年から、弁護士ケリー・ラム氏によるコラムは98年からスタート。2003年の新型肺炎SARS流行時には特区政府から得た最新の情報を発信した。中には諸事情で終了したコーナーもあり、「訪問・中資系企業」は取材相手が中央当局に拘束されるなどで立ち行かなくなった。
多くの香港明星（スター）や日本の著名人も紙面に登場。1999年は千葉真一が香港電影金像奨の主演男優賞に日本人として初ノミネート。式典には当時2歳で現在は俳優として活躍する息子の新田真剣佑も一緒に。2002年にはダチョウ倶楽部の香港ロケに密着、独占取材。 13年には倉田保昭が香港で開いた空手道場を紹介した。スキャンダルを一面に載せて完売となったのが08年の陳冠希（エディソン・チャン）のわいせつ画像流出騒動だ。デビッド・ベッカム来港時には本紙独占コメントも掲載。そのほか、20カ国・地域でのプレーを達成した元Jリーガー・伊藤壇による「アジア放浪記」など、各界のプロがコラムを連載している。
