新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)前主席の郭炳湘さんが亡くなっていたことが10月20日、分かった。亨年68歳。21日付香港各紙によると、今年8月末に脳卒中で倒れてからこん睡状態が続いていたという。1950年生まれの郭炳湘さんは香港の実業家ファミリーである「郭氏3兄弟」の長男。総資産は78米ドルといわれ、2018年の『フォーブス』誌による富豪ランキングでは世界199位、香港10位となっている。ロンドン大学卒業後に父親の事業である同社に入社、41歳の時に主席兼行政総裁に就任し、1995年には全国政治協商業会議香港地区委員になった。しかし1997年には「大富豪」の異名を持つ犯罪集団の幹部・張子強(1998年に逮捕・死刑執行)に誘拐され、親族が身代金6億ドルを払い釈放された。2008年にはこの誘拐が原因でPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったことを告白、2012年には弟2人が許士仁・前政務長官への贈賄容疑で廉政公署(ICAC)に逮捕されるなどトラブルが続いた。2014年からは帝国集団を創設し不動産・金融業を行っており、子供3人が同社の取締役を務めている。【関連記事】https://www.hkpost.com.hk/20180827_12969/