ハンドメード・アクセサリー
魅力は「世界で1つだけ」
今話題のワークショップ
香港生活の中で、趣味やスポーツを楽しんだり、習い事を始める人も多いだろう。今、香港で男女問わず人気を呼んでいるのが、ハンドメードのアクセサリー作り。金融系ビジネスマンという異色の経歴を持つデザイナーが主宰する話題のスタジオを紹介する。
(取材と撮影・武田信晃)
デザインや内装もD.I.Y.
愛する人が自分のために心を込めて作ったものを受け取るのは、それはうれしいものだ。石硤尾にある「LUCKWALKER」はハンドメード・アクセサリーのワークショップや商品販売をするスタジオだ。多くの男女がスタジオを訪ね、誰かのために、ときには自分へのご褒美として一生懸命、「世界で1つだけ」のアクセサリーを製作している。オーナーの黄元冑(Edward Wong)さんの技術の高さとワークショップの楽しさが評判を呼び、黄さんは今では香港の有名企業のCMに呼ばれるほどだ。
「ここを始めたのは2015年の10月くらいです。デザインから内装までほとんど自分でやりました」と答える。実は本職は証券会社で投資関係の仕事をしている。今は在宅勤務が多いという現代社会ならではの労働環境は、黄さんに自由な時間を与えた。
「若いころからD.I.Y.が好きで、いろいろな物を自分で作ってきました」と語る。例えば、皮革の本などを読んで学習し、ビジネスバッグまで作れるほどのレベルになった。凝り性なのだろう、レザーでやれることはほぼ極めたため「次にシルバーの作り方を学びに1年間、浸会大学の講座に通いました。金属加工を選んだのは、レザーと比べてもかなりハードルが高いからです」。加えて、知り合いの師傳(中国語でマスターの意味)からも技術を学び、指輪、バングル、ネックレスなどのアクセサリーの製作方法も会得した。
記憶に残るモノを作って
趣味がこれだけ本格的になってくると、「家が手狭になりました」と苦笑い。「こういう趣味は部屋も汚れるのです。適当な物件を探しているとき運よくこの場所を見つけ購入しました」と黄さん。自分専用の場所を確保したことと、以前からアクセサリー製作の楽しさを知ってもらいたいと考えていたことから、趣味の場所だけではなくワークショップ兼製作スタジオに。スタジオにある年季の入った作業台などは、師傳から譲り受けたもの。「ワークショップではモノを作りますが、正直なところモノ自体はなくなる可能性もあります。でも良い記憶は永遠になくならないのです。だから記憶に残るモノを作ってもらいたいと思っています」
1クラス2人という少人数制のワークショップを開催中。1回あたり3時間で、この1回で作品の完成まで学べる。もちろん、違う技術を学んだり、別のデザインを製作したい場合は2回目、3回目と受けることもできる。参加者のほとんどは香港人だが、たまに外国人も学びに来るという。1人あたり料金は原材料費など込みで、リングが500ドル、バングルが800ドルとなっている。
「現在は3Dプリンターの技術を学んでいます。これは製作という意味で革新的ですね」と向上心旺盛な黄さん。師傳から学んだ古くから伝わる技術の伝承と新しいものを融合した新作品と技術を、私たちに披露してくれそうだ。
【LUCKWALKER】所在地:Shop No.6, 1/F., Fook Tin Building, 38 Wai Chi Street, Shek Kip Mei, Kowloon, Hong Kong
※電話番号はないのでフェースブック「luckwalker.hk」から申し込む