香港貿易発展局だより《特別編》
秋のイベント早わかり
香港貿易発展局は2018年度(2018年4月〜2019年3月)に香港で展示会37本、国際会議8本の開催を予定している。17年度は計40本近い展示会への出展者が約3万9000社、来場バイヤーが約75万2000人を数え、香港の海外との輸出入ビジネスの創出に一定の貢献を果たした。本稿では、第3四半期(10〜12月)に開催されるイベントの見どころを紹介する。10月はテクノロジー系がめじろ押し、11月は華やかなファッションアイテムやワインの展示会が開かれ、12月は重要な国際会議が挙行される。(構成・編集部)
■第38回「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」
■第22回「エレクトロニック・アジア」
広東省深圳市が「中国のシリコンバレー」として急成長を遂げる中、香港が中国エレクトロニクス産業の海外に向けたショーウィンドーとして果たす役割も年々重要度を増している。本フェアは同時開催される部品展示会「エレクトロニック・アジア」と合わせ、出展者数が4280社(17年実績)、来場バイヤー数が延べ8万6043人(同)にも上り、「本気の商談」の場として、日本の業界関係者が多数訪れる場としても知られる。
■第13回「エコ・エキスポ・アジア-環境保護関連国際見本市」
マカオと並び世界で最も人口密度の高い都市のひとつである香港は、大気汚染やごみ処理などの都市問題に直面している。環境改善は重要な課題だ。こうした背景から本エキスポにはカナダ、韓国、日本、ドイツなどといった環境先進国の企業が多数出展し、香港や中国本土のバイヤー向けに先進的なエコ製品を売り込む場として活用している。
■第3回「香港国際アウトドア&テック・ライト・エキスポ」
■第20回香港インターナショナル・ライティング・フェア(秋)」
中国本土や香港での住宅・商業施設の建設需要が旺盛な中、建築物に不可欠な照明関連製品にも膨大な需要が存在する。照明業界の専門展示会としては世界最大規模の本フェアには昨年、2670社が出展。展示スペースの限界から、3年前にスピンアウトして「アジア・ワールド・エキスポ」で同時期に開催される屋外照明の展示会にも昨年、410社が出展した。両展示会場を訪れた来場バイヤー数は昨年、延べ5万4922人を数えた。日本の建築業界からも大きな注目を集めており、日本から訪れるバイヤーも多い。
■第26回「香港オプティカル・フェア」
香港市場には近年、「オーマイグラス」「ジンズ」「ゾフ」「オンデーズ」といった日本の眼鏡専門店が続々と進出する。このため、日本の眼鏡メーカーの本フェアへの注目度も高く、昨年は中国本土(275社)、台湾(177社)、韓国(72社)、イタリア(32社)に次ぐ25社が出展した。その多くが「眼鏡の聖地」と呼ばれる福井県鯖江市のメーカーで、香港メディアでもその技術力とデザイン性の高さが紹介され、ブランドとなっている。
■第11回「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・フェア」
香港は2008 年2 月、ワインへの関税をすべて撤廃したことで、世界の主要経済では初のワインに関するフリーポートとなり、現在ではアジアにおけるワイン取引・流通のハブとして業界に認知されている。香港貿易発展局は08年以来、毎年11月に本フェア開催し、香港のワイン取引ハブとしての地位強化を図っている。今年は新潟県酒造組合が出展し、日本の国酒である日本酒を世界のバイヤーに向けて売り込む。最終日は18歳以上の一般来場者にも開放される。
■第8回「アジア物流&海運会議(ALMC)」
航空貨物量の取扱量で世界トップの香港は、古来からアジア地域の物流ハブとして発展してきた。その香港で開催される世界規模の物流会議であるALMCには昨年、世界各国・地域から71人のスピーカーが登壇し、2109人の来場者に最新の知見を披露した。今年は香港と中国本土を結ぶ初の高速鉄道「広深港高速鉄道」や、香港と珠海、マカオを結ぶ海上橋「港珠澳大橋」の開通も見込まれ、物流ハブとしての香港の役割がさらに強まると期待される。
■第4回「香港フランチャイジング・ショー」
本ショーは、香港を拠点にアジア全域へとブランド展開を目指すスタートアップ企業や中小企業が、自社製品・サービスの販売店、代理店、業務提携先などのビジネスパートナーを見つける場として活用している。昨年は香港、中国本土、韓国、台湾、シンガポール、豪州、米国などから131社・団体が出展し、世界各地から訪れた来場者5352人と活発な商談を行った。昨年は出展者131社のうち、食品・飲料ゾーンへの出展者が11社を数えた。会場には韓国最大の外食チェーン「ノルブ」の展示ブースも見られた。
■第2回「スマートビズ・エキスポ」
上述のフランチャイジング・ショーとは、いわば双子の展示会。スタートアップ企業や中小企業へのビジネスソリューションを提供する場として昨年初めて開催。昨年は香港から210社、中国本土から127社、その他海外から186社の計523社が出展。アフリカ、中東、南米といった遠隔地からも来場者が訪れ、目まぐるしく変化するビジネス環境の中で勝ち抜くためのソリューションを求めて出展者と商談を行った。
■第2回「アジア電子商取引サミット」
アジア地域での電子商取引(Eコマース)の急速な拡大を受け、昨年初めて開催された国際会議。昨年は1000人以上の聴衆が参加し、グローバルエコノミー時代のデジタル消費の勃興によるインパクトをテーマとした基調講演をはじめ、業界専門家の知見に耳を傾けた。
■第2回「デザイン・インスパイア」
従来「イノベーション&デザイン・テック・エキスポ(IDT エキスポ) 」として開催されていた展示会が昨年リニューアルして初開催。世界屈指のデザイナーやイノベーター、流行を発信するブランド、組織、団体が一堂に集結し、多数のデザイン作品、インスタレーション(さまざまな素材を組み合わせた仮設作品)、関連プロジェクトなどが紹介された。
■第8回「アジア知的財産ビジネス・フォーラム」
米中貿易戦争の発端にもなった知的財産権(IP)の侵害問題。こうした知財にかかわる問題を取り扱う国際会議として、これまでに7回開催されてきた。昨年は「知財とイノベーション:革新、成長、連繋の促進」と題し、各国から約80人のスピーカーと2500人以上の来場者を集めた。