香港セブンズ2017
フィジーが3連覇
日本は女子が優勝
7人制ラグビーの祭典「香港セブンズ」が4月7 〜9日、香港スタジアムで開催された。メーンの「カップ戦」はフィジーが3連覇を果たした。日本代表は、男子は下位チームによるトーナメントの「シールド」を制した。女子はコアチーム昇格決定大会で見事優勝した。(取材と文・郷原章)
決勝はフィジー対南アフリカ
カップ戦の決勝は、フィジー対南アフリカ。今シーズンは南アが香港セブンズ前の大会までは6戦4勝、2位2回と圧倒的な強さを誇っていた。フィジーは、2016年のリオ五輪のセブンズ金メダルチーム。今シーズンは優勝こそないが、香港セブンズでは2連覇中で、史上最多16回の優勝と抜群の相性を誇る。
試合開始からこう着状態が続いた後、約5分に主将のオセア・コリニサウがボールを持って抜けだし、独走のトライかと思わせるなか南アフリカ選手が追いつきタックルをするが、セブロニ・モセナカギがうまくフォローしてトライをあげる。7分にはフィジーがスイッチパスで相手のディフェンスラインを破り、最後はタックルを受けながら力ずくでトライ。前半はフィジーが10対0のリードで折り返す。
後半は開始1分半に再びスイッチパスでディフェンスを切り刻み、その直後にカリオネ・ナソコがパスを受け取って独走でトライ。17対0と3トライ1ゴール差となり南アフリカは厳しい局面に立たされた。試合の終盤にもフィジーが相手の息の根を止めるトライを決め、22対0と、気づけば予想外の圧勝劇で香港セブンズで3度目の3連覇を果たした。
コリニサウ主将は「大きなプレッシャーがあった。試合前にスリー・ピート(3連覇)は忘れろ。香港での初タイトルの試合と思えと選手に話した」と話し、達成した安堵感に包まれていた。香港セブンズではまだ4連覇はない。フィジーは実現できるのか来年が注目される。
サクラセブンズがコアチーム入り、男子はシールドで勝つ
日本男子代表は、今シーズンはセブンズシリーズに全戦に参加できるコアチーム(15カ国・地域と開催国)に入り、強豪国と戦うことで経験値をあげているが、まだ強豪との実力差はある。予選はフィジー、ニュージーランド、ウェールズ相手に全敗し予選下位チームが集うトーナメントで戦うことになった。初戦のケニアに敗れ、13〜16位決定戦の「シールド」というトーナメントに回る。韓国には36対7で勝ち、決勝は予選で敗退したウェールズとの戦い。厳しい戦いを迫られたが、時間終了前に同点に追いつき、さらにほぼ最後のプレーでトライを奪って逆転。28対21で予選の借りを返した形で優勝した。
一方、女子代表である「サクラセブンズ」はコアチーム入りをかけた予選大会(12カ国・地域)を戦った。日本はジャマイカ、オランダ、中国に勝ち予選全勝。決勝トーナメントの最初の相手は組み合わせの妙で再び中国と対戦し、返り討ちをする。準決勝はイタリアには31対0で圧勝し決勝は南アフリカと対戦することになった。前半0対10とリードされるが終了7秒前にトライを奪い7対10で折り返す。
後半は開始30秒で日本がトライし、12対10と逆転。その後は、パスでトライ、ドライビングモールでトライを決め22対10で優勝。来シーズンのコアチーム入りを決めた。山中美緒キャプテンは「大会の6試合目で走り勝つ練習をやってきたので、やってきたことが決勝で出せて良かった」と喜びを爆発させた。
(写真提供・Elite Step Asia)