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8月13〜23日のニュースから抜粋
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■売春摘発、15歳マッサージ嬢も
香港警察は8月8日、売春をあっ旋し、破格の値段で飲食サービスを提供していた会員制クラブを摘発した。8月10日付香港各紙によれば、当局は湾仔の高級クラブで売春が行われているとの情報をキャッチ。8月8日晩に客のふりをした捜査員が店内でホステスと酒を飲んでいると売春サービスもあると持ちかけられたため、店の責任者ら16人を組織買春などの容疑で逮捕した。滞在条件違反容疑で身柄を拘束されたホステスは29〜45歳の14人。8人は中国本土籍、5人は台湾籍、1人はインドネシア籍だ。豪華なインテリアの店内でセクシーな服を着て接客していたという。飲食料金は、市価2680ドル相当のスコッチウイスキーを2万ドルで、シーフードプラッターを2万4000ドルで提供するなど、客からぼったくっていたようだ。店内から9万ドルのレシートも見つかったという。一方、翌8月9日には元朗で、無免許のマッサージ店など計7カ所が摘発された。マッサージ嬢41人はいずれも本土籍で、中には15歳の少女もいたという。
■独立派の学生組織がデモ
「香港独立」を主張する学生組織「学生独立連盟」は8月11日夜、尖沙咀のスターフェリーターミナル前で「光復天星行動」と称するデモ活動を行った。12日付香港各紙によると、学生独立連盟の陳家駒・召集人や並行輸入反対運動組織の梁金成氏ら数十人は、旺角の歩行者天国からスターフェリーターミナル前に場所を移してパフォーマンスを行っている中国本土住民または新たな移住者を包囲し退散を要求。警察が仲裁に入ってパフォーマーらに現場からの撤退を促していると、陳氏らは拡声器で「政府は無能」「人民は自分で自分を救え」などと叫んだほか、パフォーマーらを罵倒した。現場には野次馬を含めて約100人が集まって一時混乱したものの、警察ではすでに予期して少なくとも30人を配備していたため大規模な衝突には至らなかった。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)香港代表の盧瑞安氏は「ストリートパフォーマンスはもともと民生問題だが、香港独立分子はこれを利用して独立をあおることを考えている」と批判。今後も独立派がさまざまな挑発行為を繰り出してくることも予想されている。
■意識不明の人気俳優、一命取りとめる
サッカーの試合中に突然倒れ、こん睡状態に陥っていた無線電視(TVB)所属の俳優・余徳丞(ディクソン)が、意識を取り戻したという。8月11日付香港各紙によると、ディクソンは8月8日に西区中山記念公園で行われたアマチュアの試合にメディア仲間で作ったチームの一員として出場。しかし途中で不調を訴え、ピッチの外で休息しているうちに悪化。呼吸困難やけいれんを起こして意識を失い、病院に運ばれ治療を受けていた。一時、命が危ぶまれたものの、10日晩に親族が意識が戻ったと発表し、ファンや関係各位に向けて感謝のコメントを出した。サッカー場でディクソンが倒れた時かなり危険な状態だったが、チームメートの中に看護師がいて、現場でAEDを使用できたことが救命につながったのだという。28歳のディクソンは元水泳選手で、香港代表としてアジア大会などに出場した経験を持つ。2013年にTVBと契約し、スポーツ番組や子供番組の司会で人気を博した。
■香港海事博物館で海上シルクロード展
セントラルにある香港海事博物館で8月14日から特別展示「East Meets West:Maritime Silk Routes in the 13th—18th Centurie‘s Exhibition」が始まった。8月13日付プレスリリースによれば、海上シルクロードにおいて香港が重要な存在であったことを裏付けるさまざまな文物200点余りを展示。そのうち2016年に西貢糧船湾で見つかり2年かけて修復した宋代の石製のいかりや、MTR新線建設工事中に出土した陶磁器、貨幣など20数点はいずれもこれが初公開だ。また、広東省、湖北省など中国本土の博物館をはじめ、香港大学美術館などから貸し出された貴重な文物も参観できる。入場料は一般30ドル、60歳以上と18歳未満は15ドル。会期は11月11日まで。
■住みやすい都市、香港は10位アップ
英エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)による2018年「世界で最も住みやすい都市」のランキング調査で、香港は前年の45位から10ランク上昇して35位となったことが分かった。8月15日付香港各紙によると上位3位は、ウィーンが7年連続トップだったメルボルンを抜いて1位に。2位はメルボルン、3位は大阪だ。香港は17年にシンガポールに抜かれたものの、今年は37位のシンガポールを上回った。香港は、13年と14年は31位だったが、翌15年は14年に発生した「セントラル占拠行動」の影響を受けて評価が下降し46位となった。16年も43位、17年は45位だったが、今年は一気に評価が回復した。この調査は世界140都市を対象とし、社会の安定、医療、文化環境、教育、インフラの5大指標で評価したもので、グローバル企業が駐在員の待遇を決める客観的な目安を提供する目的で行われているため、必ずしも現地の人にとっての住みやすさの評価ではない。
■中環でボヤ騒ぎ、歴史的建築あわや
中環で火災が発生し、現場から10メートル先の歴史的建造物に火が燃え移る寸前だったことがわかった。8月16日付香港各紙によると、火災が発生したのは15日未明の嘉咸街の屋台街の一角。屋台のうちの一つが出火し煙を上げ、近くのホテルの宿泊客数十人が避難する騒ぎとなった。市民の通報から5分後には消防隊が到着し、およそ一時間後には鎮火。火事の原因については現在も調査中で、けが人などはなかったものの、6個分の屋台が焼失した。また、現場からわずか10メートル先にあった歴史的建造物の「永和號」への飛び火も懸念されたが、寸前で回避された形となった。永和號は1880年ごろに建てられた3階建ての唐楼で、木製の階段、タイルの幾何学模様など特徴も多く、去年、第一級歴史建築に指定されたばかり。映画『重慶森林(邦題:恋する惑星)』にも登場した。
■阿信屋の林CEOが急逝、享年61歳
759阿信屋を傘下に持つCEC国際ホールディングスの林偉駿CEOが突如死去した。61歳だった。8月20日付香港各紙によると、林氏は18日に体調を崩し正午12時ごろに養和医院に緊急搬送されたが容態が悪化、その3時間後に亡くなったという。過去に脳梗塞を二度も発症したうえ、糖尿病を患うなど健康面が芳しくなかったことは知られているが、直接の死因はまだ明らかになっていない。林氏は1957年香港生まれ。79年に電気工事の会社を立ち上げ上場したのち、金融危機をきっかけに日本製品を販売する小売業態に転身、阿信屋第一号店を葵涌に開店した。薄利多売を武器に最盛期は271店舗を数えた阿信屋だが、昨今は急速な拡大路線が災いし、2016年から赤字決算が続くなど低迷が報じられ、209店舗に減少していた。林氏亡き後、新たな舵取り役が早急に求められるが、当面は2人の執行董事が代行を務めるとみられている。ちなみに店名にある「阿信」はNHKの連続テレビ小説「おしん」が由来となっている。
■わいせつ警官、14歳少女を強姦
女児へのわいせつ容疑で逮捕された警官が停職期間中に14歳の少女を強姦した容疑で再逮捕された。8月18日付香港各紙によると、容疑者(32歳)は毒物調査科の警官。今年5月に女児2人へのわいせつ事件を起こし、6月に逮捕され停職処分になっていた。しかし保釈中も反省の色を見せず、7月末にネットで知り合った少女数人と一緒にランカイフォンで飲酒したという。そしてその中の1人で泥酔して酩酊状態だった14歳の少女を、自宅に送るという口実で沙田まで行き、少女が住む住宅の階段の踊り場で強姦したという。少女が帰宅した時に服装が乱れていたことから母親が通報。警察が8月16日に容疑者の身柄を確保した。容疑者が5月のわいせつ事件でも、ネットを介して被害者2人と知り合ったという。
■舞台演出家、13歳少女との淫行容疑
舞台を中心に活躍する演出家が13歳の少女との淫行容疑で逮捕され、その裁判が8月20日に西九龍裁判法院で始まった。8月21日付香港各紙によると、俳優としても活動する黄嘉威被告(37歳)は、5年前に当時13歳だった少女とネットで知り合い、撮影を誘い文句にしてホテルへ連れていき、ヌード写真を撮影したほか、口淫や性行為におよんだ疑いがもたれている。その後も3年間にわたってほぼ毎月ヌード撮影やわいせつ行為をしていたという。今年8月に、少女の彼氏が携帯電話の中から、少女と被告とがやりとりしたメッセージやわいせつな写真を見つけ、その後少女自身が被害届を出した。警察の捜査で、被告自宅のパソコンの中からは未成年の少女と性行為やSM行為をする映像が数多く発見されたことから、ほかにも被害者がいるとみられ、警察では余罪を追及している。
業務用ヘア化粧品のミルボンがヘアショー
業務用ヘア化粧品メーカー最大手の株式会社ミルボンは8月8日、「ミルボン アディクシーバトル2018」を開催した。これは同社の新商品ヘアカラー剤「アディクシー」の香港での発売記念を兼ねて、香港、韓国、シンガポール、日本で活躍するスタイリスト8組が競い合いヘアショーを行うもの。会場には業界関係者ら約200人が集った。1960年創業のミルボンは日本国内の美容室向けヘアケア市場でのシェア15%と国内トップレベルの地位を誇る。2014年には大型放射光施設SPring—8を用いて植物性オイルの毛髪への浸透度をミクロレベルで可視化するのに成功。より高品質な商品開発を行う。現在海外は13拠点、生産と販売の両面での収益拡大を図る。2011年に香港事務所を設立し、代理店を通して美容サロンなどに販売展開。競合社は主に資生堂プロフェッショナルやロレアルグループなどで、香港市場でのシェアは8%、業界4位と健闘している。国際営業部香港統括マネジャーの齋藤裕樹氏は香港市場の魅力について「高温多湿の香港では、髪の根本からボリュームを出したい人が多い傾向にある。日本製品の人気が高い香港では発売以来順調に伸びている」と語った。
(写真:楢橋里彩)