米国で服飾デザインの道へ
7月5日、第46回を迎える2018年のミス香港コンテスト(香港小姐競選)の面接試験(首輪面試・海選)が行われ、200人余りの美女が将軍澳のTVBスタジオの門をくぐった。
待ち受けていた香港メディアによる写真入り記事が、早くも翌日の地元紙を賑わせている。報道によれば、元タレントあり、整形美女ありと、話題にはこと欠かないが、注目されるのは、今年も少なくない美女が海外留学で大学などの高等教育を受けた才色兼備の、いわゆる「海帰派」美女だという。
昨年度2017年香港小姐季軍(准ミス2位)の黄瑋琦(エミリー・ウォン)さん(写真)の場合は、香港籍を持つが、米国マイアミ生まれで、米国の居住権を取得していた。ミス香港参戦にあたり、「子供たちの教育環境を良くしていきたい」と抱負を述べていたが、1年間のミス香港の契約が満了となるのを機に、芸人(アーティスト)としての仕事を引退し、米国でファッションデザインの仕事につくという。
近年、TVBはミス香港入賞者を環球小姐(ミスユニバース)や国際小姐(ミスインターナショナル)などの国際大会に派遣するのをやめ、自社主催の国際中華小姐(ミスチャイニーズインターナショナル)とのリンクに絞り込む傾向にあったが、彼女の場合は2017年10月に中国海南島三亞で開催された世界小姐(ミスワールド)に香港代表として派遣された。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。