蜀の国の豊かな食文化


蜀の国の豊かな食文化

「招牌蝦膏泡瀘沽湖紅米飯」(268ドル)は、希少価値のある紅米と瀘沽湖特産のエビを使ったお粥で、十数時間煮込んだスープが濃厚な味わいに仕上げている。

チムサーチョイにある「映水芙蓉」は成都料理を提供するレストラン。昔、成都は「蓉城」とも呼ばれたことから、成都食文化の伝統を伝えていきたいという思いを込めて「映水芙蓉」と名付けられた。

刺激的な辛さが特長の「崇州沖沖巻」
滑らかなスープに豆腐花のような鶏肉がマッチする「蓉城آ‮{‬豆花」
北京飴細工の技法を用いた器にセットされた調味料が風味を添える「敲糖棒棒雞」

成都料理は四川料理の中のひとつであるが、しびれる辛さが特長の重慶料理とは異なり、さまざまな香辛料の香りを大切にした、柔らかみのある辛さが特長だ。宮廷料理ほど贅沢ではないが、貴族にふさわしい料理を追求してきた「蜀」の国の食文化も影響している。お薦め料理のひとつ「招牌蝦膏泡瀘沽湖紅米飯」は、雲南省と四川省の境に横たわる「瀘沽湖(ルグ湖)」地方の特産である紅米と湖で獲れるエビを用いたお粥で、深い味わいが楽しめる。四川崇州地区の一般的な軽食だったが、数十年前に姿を消した「崇州沖沖巻」もぜひオーダーしたい。

四川の竹林や邸宅の庭をイメージした心地よい空間で、精緻な料理をいただきながら成都の歴史に思いを馳せてみよう。(文・森沢雅子/写真提供・同店)

 

映水芙蓉(Fu Rong)

所在地:201 2/F., Ocean Terminal Harbour City, 3-27, Canton Road, Tsim Sha Tsui , Kowloon
電  話:2388-2008
営業時間:11:30〜24:00

 

 

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