蜀の国の豊かな食文化
チムサーチョイにある「映水芙蓉」は成都料理を提供するレストラン。昔、成都は「蓉城」とも呼ばれたことから、成都食文化の伝統を伝えていきたいという思いを込めて「映水芙蓉」と名付けられた。
成都料理は四川料理の中のひとつであるが、しびれる辛さが特長の重慶料理とは異なり、さまざまな香辛料の香りを大切にした、柔らかみのある辛さが特長だ。宮廷料理ほど贅沢ではないが、貴族にふさわしい料理を追求してきた「蜀」の国の食文化も影響している。お薦め料理のひとつ「招牌蝦膏泡瀘沽湖紅米飯」は、雲南省と四川省の境に横たわる「瀘沽湖(ルグ湖)」地方の特産である紅米と湖で獲れるエビを用いたお粥で、深い味わいが楽しめる。四川崇州地区の一般的な軽食だったが、数十年前に姿を消した「崇州沖沖巻」もぜひオーダーしたい。
四川の竹林や邸宅の庭をイメージした心地よい空間で、精緻な料理をいただきながら成都の歴史に思いを馳せてみよう。(文・森沢雅子/写真提供・同店)
映水芙蓉(Fu Rong)
所在地:201 2/F., Ocean Terminal Harbour City, 3-27, Canton Road, Tsim Sha Tsui , Kowloon
電 話:2388-2008
営業時間:11:30〜24:00