無線電視(TVB)が所有していた名画が6月9日に中国で行われたオークションに出品され、盗難事件の可能性が浮上している。6月14日付香港各紙によると、湖南逸典拍売公司が主催する春の競売会に80万人民元で出品されたその名画は中国の著名画家・黄永玉氏の1991年の作品「●曲」。TVBの人気番組『香港●曲』の10周年記念として、黄氏が同局に贈ったものという。TVBではその絵を遺失したと説明し、絵が何者かに盗まれた疑いがあるとの声明をオークション前日に発表。香港警察と中国公安に通報し、差し止めを要求した。オークション当日は公安職員が現地を訪れ、出品が取りやめられたことを確認するまで見張っていたそうで、現在その絵は湖南逸典拍売の倉庫に保管されている。所有権を主張するTVBでは、遺失には『香港●曲』のプロデューサー(すでに故人)がかかわっていたものとみて調査しているという。これに対し湖南逸典拍売は、当該作品は2013年に合法的なルートでオークションに出されたものと反論。そのとき現所有者が94万香港ドルで落札していた。湖南逸典拍売は、TVBは1991年から2018年の37年間に通報もせず、声明では遺失時期も明らかにしておらず、現在もTVBが所有者であるとの証拠はないと主張している。【●=日に辰】【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=8695