《62》足首の捻挫 放っておくと長引く痛み
Q: こんにちは。一カ月前に歩道を歩いていて右足首を捻挫してしまい、すぐに西洋医の整形外科へ行きました。レントゲンチェックの結果、骨には異常なしとのことで痛み止めと消炎剤を1週間服用しました。その後、3週間たっても、まだ足首をひねると痛み、再診に行ったのですが、整形の先生はもう大丈夫だと言うのです。心配なので東洋医学で治す方法はないかと思い来診いたしました。
A:そうだったんですね。ソックスを脱いで足首を見せてください。足首を内側や外側に曲げたり、伸ばしたりしてみますが、いかがでしょうか? 内側へひねると、嫌な感じが出始めますか?
Q:そうです…。つま先を伸ばすのも、脛の足首に近いところが引っ張られて痛みます。
A:やはり、足首の外側や前面の靭帯、腱なども傷ついていたようですね。捻挫した当初、数日は横になって足を少し心臓より高くし、氷のうなどでアイシングを1時間に1回、1回あたり15〜20分、繰り返し行ったり、テーピングして関節を固定するなどしていましたか?
Q:いいえ、歩けていたのでしていませんでした。仕事もあったので横になったり、アイシングもできなかったです。
A:捻挫、打ち身などで急性の炎症が起こったときは、最初の処置が肝心です。できれば、当初から鍼治療を合わせて行うと治り方が早くなります。なぜかと言いますと、鍼治療で起きる軽い刺激が、大脳からの「新陳代謝を活性化させる信号」を発生させ、結果、血液循環などが良くなるからです。
Q:もし、ひびなどの骨折があった場合は?
A:2〜3週間後、ギブスをはずせる段階から、鍼治療を始めれば「骨折後の疼痛」も早く治ります。
Q:骨折していた場所に針を刺すんですか? 怖いです。
A:全然大丈夫なんです。逆に痛みの取れ方が加速されていくのを感じ始めると、恐怖感も消え失せます。小学生でサッカーをしている人も捻挫、肉離れ、アキレス腱、ひざが痛いなどの問題で来診されます。初めての方でも安心して受診して帰られますので、そんなにご心配なさらないでください。
(この連載は2カ月に1回掲載)
浅井先生:1987年から中国に留学。日本で鍼灸師の資格を取得後、診療所の理学療法科や鍼灸院、接骨院勤務を経て、1999年より香港で「誠恩堂鍼灸院」を開業。2003年に特区政府が定めた全科漢方医(漢方、鍼灸)の第1回資格試験に合格した。