課文248「ヘルシーなインスタント麺を食す」

課文248
「ヘルシーなインスタント麺を食す」

ごま油がおいしい和え麺

日本におけるインスタントラーメンと、香港におけるインスタント麺は、その地位が全く違うと思う。日本では、家で手軽に食べるもの。香港では、家でも食べるけど、外食としても食べるもの。そう、日本と比べるべくもないほど、確固とした地位を確立している。

香港は麺の種類がとっても多い。生麺も乾麺もめちゃくちゃバリエーションに富んでいる。いわゆるインスタントラーメンのように、調味料付きで袋に入って売っている乾麺には、アワビが練りこまれた麺とか、エビの卵が練りこまれた麺という超高級なのもある。

そんな中で彗星のように現れたのが、今回ご紹介する台湾生まれの「KiKi 椒麻拌麺」。最初は台湾系のところでしか目につかなかったのが、いまでは、セブンイレブンの棚にも登場している。それも、1袋売りではなく、5袋パックのみの販売。そして、その価格が68香港ドル(以下ドル)。1袋当たり13.6ドル。かなりかなり強気の価格展開に、「きっと理由があるに違いない」と思ってしまった私。息子にも夫にも「高すぎるんちゃう?」と言われながらも買いました。だってね、ノンフライ麺。そして成分がベジタリアン。そしてね、これは、スープ麺ではなく、拌麺。すなわち、ゆでた麺を、純醸造醤油とごま油のタレであえて、唐辛子粉と花椒粉をかけていただくという、いたってシンプルなもの。自然の調味料しか使っていないところもポイントが高かった。

これが「KiKi 椒麻拌麺」

なぜかというと、「純醸造醤油」には、化学のものは入っていない。ごま油はご存じの通り、香りも高く、肝臓にもガン予防にも良い。そして、唐辛子は、疲労回復や免疫力向上にお役立ちだし、花椒は、健胃作用と殺菌作用がある。

作り方はとっても簡単。沸騰させたお湯に入れて、3〜5分ゆでる。そしてお湯を捨ててお皿に入れて、タレで和えて、粉をかけたら出来上がり! 刻んだネギをたっぷりのせたらなお良し。いやー、辛いの苦手な私だけど、タレと粉のバランスが絶妙なので、めちゃくちゃおいしい。

気づいたのが、この麺ね、インスタントラーメンの感覚でちょっとゆで過ぎかな? くらいの感じが良いみたい。そのゆで過ぎかな? の麺は、タレにからみやすい上に、口に入れたら、ちょうどいいシコシコ感。見た目がちょうどの時は、食べると硬くておいしくない! と思ってしまうから、気をつけてね。                                                        (このコーナーは月1回掲載)

筆者・楊さちこ
1961年大阪生まれ(国籍:日本)
南京中医薬大学・中医美容学教授・中医学博士
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。大学では「高木祐子奨学金基金」を設立し、中医学の社会的地位の向上に尽力。「いつまでも美しく」 をモットーに美に関する商品開発をはじめとするトータルプロデュースを手がけている。著書は『綺麗はひとは、やめている。』(幻冬社文庫)、『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)、『香港美人が教えてくれた美しさが永遠に続く6つの法則』(光文社)、『72時間で自分を変える旅 香港』(幻冬社)のほか、『世界一の養生ごはん』(小学館)、香港・台湾の書店で買える『世界一流的港式家傳雞湯』(積木文化)など。いろんな角度からの香港を伝えるブログ『香港のしきたり』もどうぞ

Share