生姜の甘煮でストレス解消
いつもは引き立て役に甘んじている生姜が堂々と主役を張るのが、この生姜の甘煮「糖生姜(トウサンギョーン)」です。ストレスやイライラのせいで、食べすぎたり、便秘になったり、体がカチンコチンになって冷えてしまったり。それが続くと、お肌も荒れ、生活習慣病の原因にもなります。だから、食べたり飲んだりしたとき、あっという間にホッとさせてくれる「甘味」はとても大切。健康長寿を生活の中心に据えて生きる香港人は、甘いものが欲しくなったときにも、健康に働くものを選びます。
香港人が好む甘いものは、陳皮(みかんの皮を乾かしたもの)や話梅(甘い梅干し)、ドライフルーツなどさまざま。中でも、簡単に作れるのが「糖生姜」です。生姜には体を温めて、冷えを解消することによって、心と体の緊張をほぐす働きがあります。そして心と内臓が冷えることで起こる下痢を止める働きや、イライラやストレスのせいで腸の動きが鈍ることで起こる便秘を解消する働きもあるのです。おまけに生姜には口臭予防効果もあるので、小分けにして持ち歩くのもおすすめです!
【材料(作りやすい分量)】
・生姜…115g(精神安定・便秘解消・口臭予防)
※なるべくひね生姜でない、皮の薄い生姜がよい
・グラニュー糖…155g(天然の防腐剤・緊張をほぐす・腸の蠕動運動促進)
・水…3/4カップ強(ものを溶かす。ものをやわらかくする)
・グラニュー糖(仕上げ用)…適量
【作り方】
(1)生姜はよく洗って皮をむき、繊維を断つように幅4mmに切る。
(2)鍋に生姜がつかるくらいの水を入れて強火にかける。沸騰したら生姜を入れ、5分ゆでてザルにあげる。
(3)再び、鍋に生姜がつかるぐらいの水を入れて強火にかける。沸騰したら生姜を入れ、10分ゆでてザルにあげる。
(4)鍋にグラニュー糖、分量の水、3の生姜を入れて中火にかける。
(5)煮立ったら弱火にし、焦げつかないように注意しながら約10分煮る。
(6)生姜を取り出して仕上げ用のグラニュー糖をまぶし、金網にのせて乾かす。
※著書『dancyu 元氣食堂 おいしい長寿食』 (プレジデントムック) より抜粋
(このコーナーは月1回掲載)
筆者・楊さちこ
1961年大阪生まれ(国籍:日本)
南京中医薬大学・中医美容学教授・中医学博士
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。大学では「高木祐子奨学金基金」を設立し、中医学の社会的地位の向上に尽力。「いつまでも美しく」 をモットーに美に関する商品開発をはじめとするトータルプロデュースを手がけている。著書は『綺麗はひとは、やめている。』(幻冬社文庫)、『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)、『香港美人が教えてくれた美しさが永遠に続く6つの法則』(光文社)、『72時間で自分を変える旅 香港』(幻冬社)のほか、『世界一の養生ごはん』(小学館)、香港・台湾の書店で買える『世界一流的港式家傳雞湯』(積木文化)など。いろんな角度からの香港を伝えるブログ『香港のしきたり』もどうぞ。