7月1日に香港返還21周年を迎えた。20周年だった昨年は祝賀行事の取材も多く、『香港ポスト』の創刊30周年と重なって特集記事の準備に追われ、感慨にふける間もなく過ぎてしまったが、今年の連休はのんびり過ごせたので、当時のことを思い出しつつ自室を片付けた▼引き出しの奥から出てきたのは、1997年に「ティファニー」で買った返還記念キーホルダー。数量限定の純銀製で、香港特区の区花であるハナズオウがかたどられている。購入した時うれしくて友人に自慢すると「ティファニーとは思えないダサいデザインだね」と言われて使いづらくなって放置。正直その存在さえも忘れていた▼当時は「返還バブル」といわれる好景気。その波に乗って、「ブルガリ」がシリアルナンバー入りの腕時計を販売するなど、さまざまな高級ブランドが香港返還の記念品を出していたのだ▼ティファニーブルーの美しい箱に入ったまま酸化して真っ黒になったキーホルダーを見て、過去20年に思いを馳せた。(本)