乗客が運賃として払った10ドル札を盗んだ容疑で逮捕されたトラムの運転士(58歳)の裁判が7月10日、行われた。7月11日付香港各紙によると、トラムを運行している香港電車公司は年初に乗客から「お金が運賃箱にちゃんと入らない」という苦情を2件受けたため、乗務記録を調べたところ、2件とも発生日は同じ運転士(=被告)が乗務していたことが判明。そこで同社は調査に乗り出した。3月中旬、職員が乗客のふりをして番号を控えた10ドル札を運賃箱に入れようとしたが、紙ナプキンのようなものが詰まっていてお札を中に押し込むことができなかったので、運転士に「これで問題ないですか?」と聞くと、運転士は問題ないと答えたそうだ。職員はいったん降車して別の停留所から再度同じトラムに乗車。そのときには運賃箱はすでに硬貨でいっぱいになっていて窃盗疑惑が浮上した。その後、運転士の財布からその10ドル札が見つかったため退職届けにサインをさせた後に通報したが、なんと運転士は「ぬれぎぬを着せられた」と自ら警察に通報したという。公判では裁判官が「被告は警察を利用した」としっ責。7月末に判決が言い渡されることになっている。被告は1988年から乗務するベテラン運転士で退職金は50万ドルに相当し、この事件で有罪となればそれを失うことになり、罪の代償は大きいようだ。【関連記事】https://www.hkpost.com.hk/20180531_10705/