久々のマカエンセ美女
両岸四地(中国本土・台湾・香港・マカオ)のなかで、マカオは東京都品川区ほどの面積しかなく、安定したミスコン催行が難しい土地だ。ミス・マカオ(澳門小姐競選)は1972年に遡るが、翌年には中断。1985年からは毎年開催されるようになったが、澳門回帰を目前に控えた1998年に再び中断。ミス・インターナショナル世界大会(国際小姐世界大賽)をマカオで開催した2008年にようやく再開したものの、これも翌年の開催を最後に途絶えた。
だが、マカオは前出のミス・インターナショナルのほか、ミス・チャイニーズ・インターナショナル(国際中華小姐)、ミス・ワールド(世界小姐)、ミス・アース(地球小姐)、ミス・ツーリズム・クィーン(国際旅游小姐)など、世界の名だたるミスコンに代表を出しており、近年はマカオ選美協会が活発にオーディションを行い、世界各地のミスコンにマカオ代表を送り込むようになった。
このようなマカオだが、旧宗主国ポルトガルの血を引く「マカエンセ」はさらに珍しい。マカオ人口63万人余りのうち、「マカエンセ」は僅か8千人程度に過ぎない。ところが2017年11月に東京で開催されたミス・インターナショナル世界大会に出場した麥嘉欣(ソフィア・ヴぇネッサ・ドス・サントス・ベィヴァ)さんは、れっきとしたマカエンセの出身。
本業は学生だが、兼職模特(アルバイトモデル)としても活躍中。筆者にとっては、2008年のミス・マカオで亞軍(准ミス1位)に入賞した關安娜さん(1383号 2013年5月24日号掲載)以来の「マカエンセ」との遭遇となった。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。