大相撲の女人禁制について、伝統か、差別か…

大相撲の女人禁制について、伝統か、差別かという議論が再燃しているが、女人禁制という言葉を聞いて、ある記事を思い出した▼15年ほど前、香港の老舗に話を聞く連載をしていた筆者は、当時旺角にあった有名な「上海風呂」の店主に取材を申し込んだ。すんなりOKが出たものの、インタビュー当日にドタキャン。店内には人の気配があるのに呼び鈴を鳴らしても応答がなく、困っていたらオフィスにいる同僚から連絡が入った。「今、店主から電話があって、取材は男の記者じゃないとダメだと言っている」▼最初は温泉やサウナで女性が男湯に入ってはいけないようなものかと解釈したのだがそのうち、艶っぽいサービスやマフィアのせいかも? などと怪しい疑念が芽生えてしまった。取材をあきらめたくなかったので、日を改めて男性記者を派遣。インタビューで、女人禁制は上海風呂の伝統であり、昔ながらの男の世界だと語った店主。風俗店と間違えられることが一番嫌だと、悲しそうな顔をしたそうだ。(本)

 

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