4月18~27日のニュースから抜粋

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41827日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)


■香港ドル買い介入、7日間で513億ドル

 香港金融管理局(HKMA)の李逹志・副総裁は4月19日、記者会見を行い、12日から行っている香港ドル防衛のための市場介入の規模は500億ドル余りに達したことを明らかにした。20日付香港各紙とによると、香港ドル相場が対米ドル・ペッグ制の許容変動幅の下限に触れたため、HKMAは12日から19日午前5時まで(7取引日)に13回にわたって米ドル売り・香港ドル買いの市場介入を実施。累計介入額は計513億3300万ドルに上った。銀行間市場の資金のだぶつきを表すアグリゲートバランス(MKMA決済性預金残高)は20日に1285億2000万ドルに減少。香港ドル相場は19日午前10時に過去1カ月で最高値の1米ドル=7.8441ドルをつけた。李副総裁は介入の頻度と規模は想定内だとして「金利が短期間で急上昇する心配はない」と説明。また「今のところ香港ドルに対する大規模な空売り攻撃はみられていない」と強調した。

■全人代法律工作委の元主任が来港

 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)法律工作委員会の喬暁陽・元主任委員が4月20日に来港した。21〜23日付香港各紙によると、喬氏は21日に行われた「国家憲法高端論壇曁記念香港基本法頒布28周年研討会」で講演し、特区政府と香港社会各界が「香港独立」に反対する態度を鮮明にしていることを評価。「香港独立」宣揚が「言論の自由」といわれていることに対し「国家分裂を企図、煽動することが言論の自由? 世界中どこにもそのような論理はない。『香港独立』問題は民族感情の問題で、憲法問題でもある」と強調した。仮に「香港独立」勢力の存在と発展を容認すれば最終的に香港のすべての人の利益を損なうとして「『香港独立』問題では開明的紳士として振る舞うことはできない」と述べた。また中央と香港の関係に関する議論について「香港特区は単一制国家の地方行政区域であり、単一制国家の中央政府は国家すべての領域に対して統治権を持ち、地方行政区域の権力は中央が授権することしかできない。このため中央は香港に対し全面的統治権を持っている」と説明。さらに「ある者が香港を利用して国家の社会主義制度を変えようとはかっていることは容認できない」と指摘。国家主体が実施する社会主義制度と香港特区が実施する資本主義制度はともに憲法で規定されているため「中国本土は本土の社会主義制度を守るとともに香港の資本主義制度も守らねばならず、逆もまたしかり」と述べた。

■偽スマホで12店摘発、19人逮捕

 香港海関(税関)が4月22日、偽物スマートフォンの大規模摘発を行った。23日付香港各紙によると、今回の摘発は一般市民からの通報などから得られた情報を元に洗い出されたもの。数カ月前から特定の店舗で販売されているバッテリーが1回の充電で壊れたり、新品であるにもかかわらず100%充電ができないなどの苦情が寄せられ発覚したという。捜査の結果、旺角の先達広場をはじめ、深水埗や銅鑼湾などの店舗や倉庫計12カ所でスマホやその周辺機器などの偽物3000点以上(約150万ドル相当)が見つかり、店舗の店員や経営者のほか、各店舗に商品をおろしていた男女2人を含む19人が逮捕された。押収された偽物には、アップルのアイフォーンやサムスンのギャラクシーのスマホ本体や筐体、バッテリーが多く、ほかにも小米やソニーのアクセサリーなども発見されている。

■林鄭長官「社会主義を尊重すべき」

 林鄭月娥・行政長官は4月24日の記者会見で、物議を醸している「一党独裁」などの話題に触れた。25日付香港各紙によると、中央人民政府駐香港特区連絡弁公室(中連弁)の王志民・主任が23日の記者会見で「憲法では一党独裁には言及しておらず、国家が実施しているのは中国共産党の指導による多党協力と政治協商制度である」と述べたことに関連し、記者は林鄭長官に「今後、『一党独裁の終結』を叫んだ者が法的制裁を受けないことを確保できるのか」と尋ねた。これに対し林鄭長官は「行政長官が将来発生することを予見して保証することは難しい。ただし王主任は私より憲法に通じているので、昨日すでに答えている」と述べたほか、香港でのことはすべて法に基づいて処理すると強調した。また全国人民代表大会(全人代、国会に相当)法律工作委員会の喬暁陽・元主任委員が20日、「公に社会主義に反対することは憲法と基本法に違反する」と述べたことについて聞かれ、林鄭長官は「中央は1国2制度を堅持して香港が実施している資本主義を尊重している。われわれもまた中国本土の社会主義の社会を尊重しなければならない」と指摘した。

■MTRでアイフォーン出火

 MTR荃湾線の車内で乗客の持っていたアイフォーンから煙が発生、車内にいた700人が一時的に避難する騒ぎとなった。4月25日付香港各紙によると、事故が起きたのは23日午後11時過ぎの佐敦から油麻地に向かう途中の車内。ある女性客の持っていたアイフォーン7プラスが突如熱を持ち始め、煙をあげたという。女性は驚いてアイフォーンを車内の床に放り投げ、車両が油麻地に到着するやいなや乗客約700人が車両外に避難した。問題のアイフォーンは発火したものの火はすぐに収まり、爆発もせず、けが人などもなかった。現在、警察が原因を調査中だが、女性はアイフォーンを旺角の先達広場で購入したと話しており、電池が正規品でなかった可能性も指摘されている。なお、スマートフォンの発火事故は今回分を数えると過去1年間で少なくとも4回発生していることになる。最近では4月6日に港島線の車両内でアイフォーン6から煙の発生が確認されたばかり。

■コンクリ殺人、遺体を食べる考えも

 2016年3月に荃湾の工業ビルの一室で28歳の男性が殺害されコンクリート詰めにされた事件で、殺人および死体遺棄容疑で起訴された男3人の裁判が引き続き行われている。4月24、25日付香港各紙によると、23日に行われた公判では主犯格の男と被害男性が複雑な金銭トラブルに陥っていたことや、被告らが遺体の処理に困り遺体を食べることも考えていたことが明らかになった。逮捕時には被告の1人が被害男性に500万ドルの借金があったと報じられていた。1人の被告の話では被害男性は友人とともに投資会社を設立し、油田やガス田などのプロジェクトの投資話を持ち込み、主犯格の男に借金してオーストラリアの不動産会社に投資していたとのだという。被害男性が主犯格の男を通じて金融会社から金を借りていたにもかかわらず、お金をすべて使ってしまい、それが主犯格の男がうらみをつのらせた原因の1つであると供述した。また、男性を殺害後に遺体を切り刻んで冷蔵庫に保存することや、調理して食べてしまうことなど、いろいろな処理方法を考えたことを明かした。

■公共Wi—Fi、4割が「亀より遅い」

 スマートシティを標榜し過去10年に約4億ドルをWi—Fi拡充に費やした香港だが、その公共Wi—Fi設備のお粗末さが指摘されている。4月26日付香港各紙によると、これは特区政府審計署(AC)がまとめた公共Wi—Fiに関するリポートであきらかになったもの。計3087個のWi—Fiスポットのうち、1171個(38.0%)の通信速度(下り)が3Mbps未満と、政府目標の3Mbps以上に達していないことがわかった。地元マスコミからは「亀より遅い」と揶揄されている状況だが、また利用者も多いとは言いがたく、場所単位では計605カ所のうちの196カ所(32%)の1日あたりの利用者が15人以下にとどまっているという。なお、通信速度が3Mbps未満の特に遅い場所として、公共図書館14カ所やビクトリア公園、九龍公園などが挙げられている。

■無理心中の韓国人、留置場で自殺

 九龍のリッツカールトン香港で1月14日に妻子を殺害した韓国人の会社経営者、キム・ミンホ被告(43)が留置場内で自殺したことがわかった。4月17日付香港各紙によると、キム被告の自殺が確認されたのは16日の午前7時過ぎの茘枝角留置場の独居房。死因は破ったベッドシーツを首に巻きつけたためだが、「疲れた。この状況が受け入れられない」などといった英語の文面の遺書が確認されているため自殺とみられている。事件前日の午後10時の消灯後にも15~20間隔で刑務官の監視はなされていたものの、ベッドで寝ている形で死亡していたため発見が遅れたようだ。過去3週間内では変わった様子は一切無く、刑務官とも英語で会話するほど落ち着いたようにみえたという。

■「脳」が行方不明、死因究明できず

 公立病院の北区医院は4月13日、病理解剖を行う予定だった遺体の一部が行方不明になったと発表するとともに謝罪した。4月14日付香港各紙によると、行方が分からなくなっているのは2月25日に同病院で死亡した71歳の女性の脳部だ。死因を調べるため3月2日に遺体から全脳を摘出し、ホルマリンで防腐処理を施した後に保管されていた。脳部以外の遺体は4月6日に火葬が完了。4月10日に病理科の医師から解剖準備の指示を受けた保管所職員が翌11日に脳部が容器ごとなくなっていることに気付いたそうだ。通報を受けた警察では、防犯カメラの映像を押収したものの、1カ月前の映像はすでに削除されていることが分かった。亡くなった女性は2月22日に精神錯乱状態で同病院に入院。その後容体が悪化し2月25日に死亡したが、死因が分からないため解剖をして、その結果が死因法廷に報告されることになっていた。

■マークス・アンド・スペンサー閉店

 チムサーチョイの海港城(ハーバーシティ)内にある英国系百貨店「マークス・アンド・スペンサー」が4月17日、閉店した。18日付香港各紙によれば、同店舗は1988年に香港に進出したマークス・アンド・スペンサーの香港1号店で、30年の歴史があった。最終営業日となった17日は、多くの商品が割引され、中には70%オフの商品もあり、多くの客が訪れたという。閉店の理由は同店舗の賃貸契約満了によるものだが、マークス・アンド・スペンサーは約半年前に中国を含む10カ国・地域で本社資本による経営をやめ、フランチャイズ経営に転換。2017年末までに香港・マカオの小売業務を中東企業のAl—Futtaimに売却している。

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