久々のミス・マレーシア
香港、中国はもとより、台湾、澳門、そして米国ニューヨークの華僑社会まで間口を広げて中華圏のミスコン美女を紹介してきた「中国美女図鑑」だが、マレーシア華僑の女性はこれまでひとりしか登場させてこなかった。毎年国際小姐世界大賽(ミス・インターナショナル世界大会)を取材してきたのだからもっと登場してもよさそうだが、マレーシアの代表は華人でないことも多かったからだ。
今回登場するのは2017年国際小姐世界大賽にマレーシア代表で出場した黄薇薇(アニー・ウォン・ウェイウェイ)さん。20歳の学生だが、174センチの長身に上から88—68—97と豊満な体躯の持ち主。クアラルンプールの寺院をデザインした大胆な民族衣装で観衆を沸かせたが、近年、国際小姐の民族衣装ステージは仮装パレード化が進んでおり、筆者はこのくらいでは驚かなくなった。
マレーシアには「ASTRO国際華裔小姐競選」という歴史のある華人ミスコンがある。1988年に「馬来西亞華裔小姐」(ミス・マレーシア・チャイナタウン)の名前で始まったそれは、後に地元のASTROテレビ局の主催となり、現在に至る。「国際」という名前こそ冠しているが、実際にはマレーシア各都市の華人代表による国内大会。優勝者は香港TVBが主催する国際華裔小姐(ミス・チャイニーズ・インターナショナル)にマレーシア代表として出場する。フェイスブックに動画や画像が公開されているので、こちらもご注目いただきたい。欧米・オーストラリアはもとより、東南アジアでも華僑華人社会のミスコン好きは有名で、後援するスポンサーはあまたあるようだ。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)
1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。