香港でも人気の歌姫・安室奈美恵
感動のラスト公演
2018年9月16日に引退することを表明している安室奈美恵のコンサートツアー「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」の香港公演が3月30、31日に香港の音楽の殿堂、香港体育館(香港コロシアム)で行われた。(取材と文・武田信晃)
安室のコンサートは2013年、16年に続く3回目。当初は31日のみの公演だったが彼女の香港での人気の高さと反響の大きさを反映して30日に追加公演をすることとなった。
オープニングはリオデジャネイロ五輪でテレビ局のテーマソングとなり大ヒットした『Hero』から始まった。前半の中で『Love Story』は観客が携帯電話のライトをペンライト代わりにして左右に振り、会場全体が幻想的な雰囲気となった。
後半の最初は安室がブレークするきっかけになった『TRY ME〜私を信じて〜』。黄色の鮮やかなドレスを着て懐かしい踊りを披露した。『NEVER END』はCGを巧みに使った演出が印象的だったほか、この曲も香港人にかなり浸透しており客がアンコールを求めたときにも歌われた。彼女最大のヒット曲『CAN YOU CELEBRATE?』は香港人も当然知っている曲。日本人には結婚式の定番ソングだが、彼女もウェディングドレスのような白いドレスを身にまとってしっとりと歌い上げた。逆に『Chase the Chance』では舞台を左から右に走って両サイドにいる観客の声援に応えながら躍動感いっぱいに歌った。
ステージの最後にMC、肉声で感謝を届ける
彼女のコンサートはMCがないことで有名だが、今回のコンサートでは最後の曲を歌った後「今日はライブに遊びに来てくださってどうもありがとうございました」と、自分の気持ちを直接観客に届けるべく挨拶を始めた。引退することを述べた後は涙が止まらず「皆さんの素晴らしい毎日の中に、素晴らしい音楽があふれているよう、心からそう願っています」などと言葉を振り絞った。ただ最後は「バイバーイ」と明るく、笑顔で彼女らしく締めた。
(写真提供・Forward Music)