しゃれた大人の社交場
バー&レストラン
美食で知られた香港だが、近年はユニークなバーカルチャーも発信し続けている。多種のカクテルや料理が自慢の店、エンターテインメントで見せる店、くつろげるバーカウンターが魅力の店など、店の個性もさまざま。その中から、大人の社交場にふさわしいお薦めスポットを紹介する。
(文・鈴木理絵/写真提供・取材各店)
Foxglove
傘屋の中は隠れ家バー
ひときわ洗練された魅力でリードするバー&レストランが「Foxglove」。潮流となっているスピークイージー(米国の禁酒法下の酒密売所)がコンセプトだ。英国紳士御用達の老舗傘ブランド「Foxglove」とのコラボレーションで、エントランスは傘ブティックそのもの。店内に入ってもうひとつの秘密の扉が開くと別世界、驚きの隠れ家が眼前に広がる。バーやダイニング、プライベートルームなど用途に応じて楽しめる空間は、ジェット機、豪華列車や客船などをイメージした遊び心あふれるゴージャスな設えだ。
昼は多忙な喧噪からのエスケープをかねて、定評あるフレンチビストロ風のランチを味わいたい。晩にはアラカルト充実のディナーメニュー、そして食後のカクテルグラスを片手に、日替わりで開催されるジャズの生演奏を楽しんでほしい。きらびやかな大都会の中で、話題のドラマティックなスピークイージーをじっくりと堪能してみては。
■Foxglove
所在地:G/F, 18 Ice House Street/ 6 Duddell Street, Central
電話:2116-8949
営業時間:月~木曜12:00~15:00(金曜は15:30 まで)
月~木曜17:00~翌1:00 (金・土曜は翌3:00まで)
日曜休業
Buenos Aires Polo Club
会員制クラブ風ステーキハウス
高い人気を集めるステーキハウスでありながら、落ち着いたバーで優雅にくつろげる場所が「Buenos Aires Polo Club」。1900年代に栄華を誇ったアルゼンチンをイメージ。王侯貴族のスポーツであるポロを楽しむ上流階級向け会員制クラブがコンセプトだ。メーンダイニングはダークウッドを基調とした革張りのイス。壁一面にはオーナー所有のブエノスアイレスの骨董市で購入したアートが光る。
自慢のアルゼンチン産ビーフは最高級ブラックアンガス牛。牧草を食べて育った肉質は赤身の野性味あふれる味わい。Tボーンやリブロースは広葉樹の薪を特注グリルで焼き、風味を高める。稀少なアルゼンチンワインも特筆だ。本国野生種から人気のブドウ品種まで約130種のワイン、香港随一のラインアップだという。
初めて口にするメニューでありつつもどこか懐かしい伝統デザートも忘れてはならない。食後にはテーブル脇でフランベの演出、食後酒「Mi Gran Cigarro」がお薦め。忘れられない食の体験になるだろう。
■Buenos Aires Polo Club
所在地:7th floor, LKF Tower, 33 Wyndam Street, Central
電話:2321-8681
営業時間:月~金曜12:00~14:30
土・日曜11:00~15:00
日~木曜18:00~23:00(金・土曜は深夜まで)
Yojimbo
ファンタジーな世界観
孔雀がテーマの「Ophelia」、妖精がテーマの「The Iron Fairies」に続く、著名インテリアデザイナー・Ashley Sutton氏の手掛ける最新作が「Yojimbo」だ。独創的ファンタジーにあふれるカクテルラウンジ&ナイトクラブはSutton氏の真骨頂。店名の「用心棒」は大好きな黒澤明監督の映画から引用したそうで、頻繁に訪れる東京銀座エリアにある何百もの洗練されたバー文化からインスピレーションを得たという。
カクテルには「Ninjya Shadow」「Yakuza Revenge」など日本の文化や地名にちなんだ名前がずらり。柚子のフレーバー、酒や日本産ウイスキーなど用いたオリジナルカクテルのラインアップだ。200人以上収容可能の空間に、ダイナミックな最新音響設備が心地よく響きわたる。海外の有名DJたちが、「Samurai Night Fever」など曜日ごとにテーマを変えて選曲する。芸者や忍者たちがパフォーマンスを見せるなど、エンターテインメント満載の大人の遊び場だ。
■Yojimbo
所在地:Shop 2-7, UG/F, Car Po Commercial Building, 37 Pottinger Street, Central
電話:2576-1717
営業時間:火・水曜18:00~翌3:00(木~土曜は翌5:00まで)
日・月曜休業