高等法院(高等裁判所)は3月6日、汚職で有罪が確定し収監中の曽蔭権(ドナルド・ツァン)元行政長官に対し、検察側の訴訟費用500万ドルを支払うよう言い渡した。3月7日付香港各紙によると、陳慶偉・裁判官は曽氏が捜査に協力しなかったため、検察の初動捜査に時間がかかって公費を無駄に費やすことになったと指摘。第1回審理の訴訟費用の3分の1にあたる約500万ドルを支払うよう命じた。陳裁判官は、2013年10月に廉政公署(ICAC=汚職取り締まり署)が取り調べを始めた際に曽氏が黙秘権を行使し、金銭の動向を調査するのに2年半もかかったと述べ、すぐに供述していれば捜査が長引かずに済んだはずだと批判。訴訟費用の支払い命令は曽氏が黙秘権を行使したことが理由ではなく、納税者によって培われている公費が不必要な費用に使われたことだと説明した。また、裁判期間中に曽氏の友人である著名人らが傍聴席に姿を見せ、陪審員に「各界の名士が曽氏を支持している」とアピールし、審理に影響を与えたようとしたとの批判的な意見も述べた。【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=16880