メルマガ『日刊香港ポストe-mail版』
1月9~22日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)
■港珠澳大橋は5~6月開通の見込み
中国政府系英字紙『中国日報(チャイナ・デーリー)』は1月8日、消息筋情報として「港珠澳大橋は5~6月に開通する」と報じた。9日付香港各紙によると、着工時は2016年末に開通する見込みだった港珠澳大橋は昨年末にようやく開通の条件が整ったが、正式な開通日はまだ発表されていない。消息筋が明らかにした開通時期は今年第2四半期の後期、すなわち5~6月。すでに主橋、海底トンネル、東西2つの人工島の土木工程は完成し、通信・照明系統などの交通工程が進められている。開通日は3地の税関・出入境管理所の工事や越境救援措置、車両・人員の越境措置の詳細協議の進ちょく状況によって決まる。このため最終的に開通日が決まるのは主橋などの検査が完了する2月初め以降で、中央政府から発表されるという。珠海市とマカオの税関・出入境管理所の工事進ちょく状況は理想的だが、香港側は人工島の整地が終わっていないため多くの建物が完成していないもようだ。
■深水埗でファッション基地構想
深水埗は350社余りの卸売、小売企業が集まるアパレル産業の中心地だが、特区政府が同地にファッション基地を造るという。1月10日付香港各紙によると、香港のファッション業界の振興や人材の育成は林鄭月娥・行政長官の施政報告(施政方針演説)に盛り込まれていたもの。昨年12月に政府と市建局は、深水埗通州街、桂林街の再開発プロジェクトとして建設される施設のテナントを、服飾業界に割安な家賃で貸し出すことに合意し、その詳細が1月9日に商務及経済発展局から発表された。同施設は2つのタワーを有し、上層階に住宅、下層階に商業テナントを持つ複合施設。貸し出されるのは5フロアで、総面積は約3600平方メートル。デザインを学ぶ学生や新人デザイナーの作品を展示するギャラリーやワークショップ、資料館などが置かれる予定で、香港設計中心による運営が提議されている。年内に公開入札を行って、デベロッパーを決め、2023〜24年に完成させる計画だという。
■大掃除のお手伝い、105ドルから
春節(旧正月)を前に、家事代行サービスで知られる「楽活一站」の大掃除業務の申し込み受け付けが開始となった。1月11日付香港各紙によると、申し込みは3時間以上からで、時給は2月2日までが115ドル(香港島・離島)と105ドル(九龍・新界)、2月3~9日は125ドル(香港島・離島)と115ドル(九龍・新界)、2月10~15日は130ドル(香港島・離島)と125ドル(九龍・新界)と、昨年比で5%ほど値上げされている。楽活一站は香港の職業訓練所である培訓局が運営する家事代行サービス機関で、登録者数は2400人ほど。大掃除以外にも、中華式の餅を準備するサービス(100~110ドル/時)や、日本のおせち料理にあたる団年飯を調理するサービス(100~120ドル/時)も行っている。
■インフル猛威、年明けから10人死亡
衛生署衛生防護中心(CHP)は1月10日、インフルエンザ流行のピークシーズンに突入したことを正式に発表した。1月11日付香港各紙が伝えたCHPの統計によると、呼吸器系患者の検体のうち、インフルウイルス陽性の比率は、昨年12月24日から30日は9.76%だったが、12月31日から今年1月6日には15%へと上昇。うち4分の3はB型ウイルスだ。急患1000人当たりのインフルの比率は195.3人から208.8人まで増えた。重症患者は、年明けから1月9日までに24人いて、うち10人が死亡している(うち7人は65歳以上)。CHPは、一般にB型ウイルスはA型に比べ症状が軽いといわれるが、重症になるケースも報告されており軽視はできないと警鐘を鳴らす。流行のピークは16週続くものと予測され、CHPでは高齢者や子供はワクチンを接種するよう呼び掛けている。
■バレンタインと旧正月で生花が3割高
1カ月後には2月14日のバレンタインデーがやってくる。香港では男性から女性に花を贈るのがポピュラーだが、今年はバレンタインデーと旧正月が近いため生花の需要が重なり、価格は3割高だという。1月11日付『香港経済日報』などによると、バレンタインデーは旧暦12月29日にあたり香港市民にとっては年越しの準備に追われるころ。正月用の花を買い求める人が多いことからバレンタイン向けにできる花の種類が少なくなる上、中国本土産のバラは昨年大雪が降ったことから不作で、香港に輸入されるものは昨年に比べ倍近くに値上がりしている。今年はバラの花束の価格は1800ドル程度、バレンタイン当日はさらにその倍くらいになることも予想されるそうだ。一方、桃や蘭などの正月花の売れ行きだが、今年は株式や不動産市場の活況から消費意欲が増え、正月花の予約は好調。すでに予約は20~30%に達し、今後も増える見込みという。
■韓国人経営者がリッツで妻子殺害
九龍の最高級ホテルで韓国人男性が妻子を殺害、自身も自殺を計るも死に切れず逮捕される事件が起きた。1月15日付香港各紙によると、逮捕されたのは米国の製菓会社「ロッキーマウンテン・チョコレートファクトリー」を韓国で経営する金CEO(42)。14日早朝、事業の失敗を理由に妻(42)と息子(7)の殺害と自殺をほのめかす電話を金容疑者から受けた友人が、在香港韓国総領事館を通じ警察に通報。警察が現場となったリッツカールトン香港に駆けつけたものの、妻子はすでに殺害されたあとで、容疑者は酒に酔って嘔吐を繰り返していたという。現場の様子から容疑者はアルコールのほかに薬物も摂取していたとみられ、現在も大声で叫び嘔吐するなど取り調べも困難な状況のようだ。ちなみに容疑者のSNSは常に家族との写真が掲載され、妻子への賛辞が並ぶなど不和を感じさせる様子はなかったという。
■高速鉄道、香港—広州南は260ドル
広州―香港間高速鉄道の運賃が明らかになった。1月16日付香港各紙によると、特区政府運輸及房屋局の陳帆・局長は15日、北京で中国鉄路総公司と工作会議を開き、同高速鉄道の運行本数と運賃について合意に達したことを明らかにした。香港・西九龍駅からの運賃(現在のレートで換算)は深圳福田駅まで80ドル(所要時間14分)、深圳北駅まで90ドル(同23分)、東莞・虎門駅まで210ドル(同33分)、番禺・広州南駅まで260ドル(同48分)となる。中国本土と香港の公休日と7〜8月の年間130日はピーク期として1日114往復を運行。うち84往復は香港—深圳(福田、北)間となる。現行の直通列車が広州東駅まで210ドル(同2時間)であるのに比べ高速鉄道の運賃はやや高めだが、陳局長は「スピード、快適度、時間から考えてこの運賃は魅力的」と述べた。
■コンテナ取扱量、昨年は4.8%増
香港海運港口局はこのほど、香港の港湾コンテナ取扱量を発表した。1月16日付『大公報』によると、2017年のコンテナ取扱量(見込み)は前年比4.8%増の2075万5000TEU(20フィート標準コンテナ換算)。再び2000万TEUの大台に乗り、12年以降の過去6年で初めて伸びを回復した。ただし17年12月単月では前年同月比10.6%減の135万2000TEUだった。世界の主要コンテナ港の17年の取扱量は、上海が同7.7%増の4000万TEU、シンガポールが同8.9%増の3366万6000TEU、寧波(舟山)が同13.8%増の2597万TEU、深圳が同5.13%増の2520万8700TEU、広州が同7.7%増の2030万TEU。香港は前年に引き続き世界5位を維持した。
■アニエス・ベー、アイスから大腸菌
旺角のランガム・プレイス内にある「agnes b.CAFE 」で販売したアイスクリームから基準値以上の大腸菌が検出されたとして、販売が禁止された。1月16日付『りんご日報』などによると、政府食物安全中心(CFS)が先ごろ市民から通報を受け、同カフェのアイスクリーム「Mystery Black」をサンプル検査したところ、1グラム当たりの細菌の含有量が3700万個で、基準値の739倍であることが分かった。また、1グラム当たりの大腸菌コロニーの数は基準値の26倍に達していた。このためCFSでは同店に対しすべてのアイスクリーム製品の販売を停止するよう通達した。該当のメニューは50ドルで販売されていたという。条例「冰凍甜点規例」では、1グラム当たりの細菌の含有量が5万個あるいは1グラム当たりの大腸菌コロニーが100個を超える冷凍製菓を販売することを禁じており、違反すると1万ドル以下の罰金あるいは3カ月以下の禁固刑となる。
■駐在員の家賃がアジア最高値
海外から派遣された駐在員の家賃のランキングで、香港がアジアで首位となった。1月17日付香港各紙によると、これはコンサルティング会社のECAインターナショナルが、世界240都市の海外から赴任している駐在員の、2017年の1カ月あたりの平均家賃(3LDK相当)を調べ順位付けしたもの。香港は1万500米ドルと、2位の東京(8300米ドル)を20%以上も上回る額で2年連続首位となった。同社のアジア地区代表は「人口密度が高く、住宅供給も少ない。特に3LDKの高級物件が不足している」とその原因を分析している。リポートによると地域別では特に、スタンレー、西貢、ミッドレベル、浅水湾が人気だという。3位以下は上海(5300米ドル)、ソウル(5000米ドル)、ムンバイ(4800米ドル)と続く。
■お年玉、環境保護や便利さで電子式も
今年は2月16日に春節(旧正月)元日を迎える。年始には「利是」(お年玉)を配るしきたりがあり、旧正月が近づくと新札の需要が増加するため香港の発券銀行では新札への交換業務を開始するが、今年は2月6日(旧暦12月21日)からとなる見込みだ。1月18日付『りんご日報』が伝えた金融管理局スポークスマンの話によると、今年の開始日程は確定していないものの、例年元日から数えた営業日8~9日前から始めており今年も同様になるものとみられる。また、金融管理局では環境保護への配慮として2006年から、外観が新札同様にきれいな紙幣の利用を提唱している。06年はその割合が20%だったが、今年は45%近くまで増える見込みという。いまだお年玉袋に現金を入れる伝統的なお年玉が主流ではあるものの、近年は電子式のお年玉も増えつつあるそうだ。東亜銀行では昨年、電子式お年玉への反響が予想よりも大きかったことから今年も導入する予定という。
■アリババがオープンライスに出資
アリババ傘下の螞蟻金服が、口コミグルメサイト大手のオープンライスに資本参加することがわかった。1月18日付香港各紙によると、正確な出資額はあきらかにされていないものの、その規模は株式全体の20%とみられている。出資の理由について同社の井賢棟・首席執行官は「支付宝の利用者拡大を狙ったもの」と明言。中国本土、香港を問わず、オープンライスのサイト内での支付宝利用者用のサービスも検討中だという。香港市民の生活に浸透したかにみえるオープンライスだが、日本式焼き肉店「牛角」を運営する叙福集団の黄傑龍・董事長は「自宅付近の飲食店しか意識していなかった香港人の食習慣を変えた」と評価する一方で、「昨今は『さくら』の存在や、恣意的な評価を書き込む利用者も散見されている。
■深圳、昨年のGDPは香港超える
深圳市の2017年の域内総生産(GDP)はいよいよ香港を上回るとみられている。1月18日付香港各紙によると、17日に開幕した深&`市第6期人民代表大会(市議会に相当)第6回会議で陳如桂・市長が政府活動報告を発表し、17年のGDPは前年比8.8%増の2兆2000億元余りとなる見込みを明らかにした。香港の16年のGDPは2兆4891億ドルで、17年の伸び率を同3.7%増として人民元換算すると2兆1800億元以下となり、深圳が香港を上回るのは確実という。中国(深圳)総合開発研究所の郭万逹・常務副院長は、深圳の近年の科学技術イノベーションが経済発展の後ろ盾となったと指摘した。
■イカボールのどに詰まらせ女児が重体
元朗の小学校で、校内の購買部で買ったイカボールを食べた小学3年の女子生徒(8歳)が窒息し、重体となった。1月19日付香港各紙によると、この生徒は18日午前10時ごろ休み時間を利用して購買部でおやつを買おうとしたが、多くの生徒が並んでおり、休み時間が終わる間際にやっとイカボールを購入することができたという。学校では休み時間の終わりを示すチャイムのほか、終了5分前にもチャイムが鳴ることになっているそうで、予告チャイムを聞いた生徒は授業に遅れることを心配し、慌ててイカボールを食べたようだ。それからほどなく、購買部の近くで生徒は倒れ、救急車で運ばれた。集中治療室に入院したが、危険な状態だという。
■極狭アパート住民は21万人
特区政府統計処は1月18日、極端に狭い住宅に関する統計「2016年中期人口統計主題性報告:居於分間楼宇単位人士」を発表した。19日付香港各紙によると、これは1つのフラットを分割して賃貸する極狭アパートに住む市民に関する統計で、極狭アパートの戸数は9万2700戸、そこに住む市民は20万9700人とみられ、1戸当たり平均2〜3人となる。14年の8万6400戸、19万5500人から増加した。家賃の中位数は月4500ドル、住人の所得中位数は1万3500ドル、面積の中位数は107平方フィート、1人当たり平均居住面積は62.4平方フィート。住人の特徴としては、70%が44歳以下。職業別ではサービス業と販売業が4万人余りで最も多いが、マネジャー、エグゼクティブ、専門職も5000人余りを占めている。
■ジェトロ、北海道への投資誘致セミナー
北海道庁、香港総商会とジェトロ共催による「北海道への投資誘致セミナー」が1月15日、香港総商会で開催された。会場には投資家、航空会社、金融など関係者らおよそ100名が参加。香港から北海道への観光客は過去5年で3倍に増加、16年度には17万人を突破している。リゾート地として人気のあるニセコ町は、特に海外資本による投資が盛んで全体の約6割は香港資本によるものだ。セミナーでは北海道知事の高橋はるみ氏が講演し「北海道と香港の経済交流は成熟段階。さらに次のステージに進めていく必要がある」とし、観光産業と食関連産業の分野への投資の呼びかけを行った。2016年の北海道の食の輸出額は702億円で、ナマコ、ホタテなどの水産品が約8割を占めるなど、香港は第2位のシェアを誇る。道では一層の食の輸出拡大に努めており、2025年までに年間の食の輸出額1500億円の達成を目標に掲げている。