デビュー35周年
安全地帯が香港公演
香港で絶大な人気を誇る安全地帯のデビュー35周年を記念したコンサートが2017年12月2日、亜洲国際博覧館(アジア・ワールドエキスポ)で開かれた。ロックバンドのコンサートでも座って音楽を聴くことが多い香港人が、曲の途中からスタンディングになるなど盛り上がったコンサートとなった。
(取材と文・武田信晃)
1982年2月のシングル『萠黄色のスナップ』の発売からデビュー35周年を迎えた安全地帯。コンサートツアーは2013年以来4年ぶりで、日本武道館の2公演のほかは香港だけという貴重なコンサートだ。安全地帯が香港でいかに人気があり、メンバーも香港のファンを大事にしているかが分かる。
8000人の観客が詰めかけたコンサートの始まりは安全地帯をブレークさせたヒット曲『ワインレッドの心』から。香港でも譚詠麟(アラン・タム)がカバーして香港人なら誰でも知っている曲だ。14曲目の『夢のつづき』は張学友(ジャッキー・チュン)が『月半湾』というタイトルでヒットを飛ばしたが、玉置浩二は広東語で「月半湾」(歌詞にもなっている)と歌い観客を喜ばせた。
『悲しみにさよなら』は観客も日本語で熱唱
ステージも終盤にはいり20曲目の『悲しみにさよなら』は玉置浩二によるアカペラで始まったが、香港人は一緒に日本語で歌った。実はこの曲、安全地帯が昔、香港でコンサートをした時に玉置浩二が滞在先のホテルで作った曲ということもあり、香港人には思い入れがあるようだった。
今回のコンサートは玉置浩二が「Thank you. Welcome to my show!」、広東語で「你好嗎?」などと言うくらいで、安室奈美恵のように事実上MCは行わず、歌だけで聴かせるというコンサートだったが、59歳とは思えないボリューム感ある歌声で観客を魅了。会場のライトがパッとついた時に出た、ため息の大きさが逆に観客の満足度の裏返しともいえた。
(写真提供・toppy & toppy entertainment)