フォーミュラE、2017-18シーズンが開幕

2017‐18シーズンが開幕 フォーミュラE

小林可夢偉が緊急スポット参戦

 電気自動車(EV)で行われるフォーミュラカーレースの最高峰であるフォーミュラE 2017~18(第4シーズン)の開幕戦が2017年12月2、3日に中環のハーバーフロントで、ダブルヘッダーで行われた。初日はサム・バード(英国)、2日目はフェリックス・ローゼンクビスト(スウェーデン)が優勝した。日本からは小林可夢偉が香港戦に限ってスポット参戦し15位と17位で完走した。(取材と文・武田信晃)

★初日はバードがペナルティを受けても優勝

初日の勝者、バード(中央)

土日の両方で決勝レースが行われるため、土曜は早朝7時と9時半からの練習走行(日曜日は8時半からのみ)。11時から予選を行い15時から43周と45周の決勝を行う。その間にもドライバーはミーティングやサイン会などがあり過密スケジュールだ。

土曜の決勝はポールポジションを獲得したジャン‐エリック・ベルニュ(フランス)が1コーナー(香港特区政府本庁舎前)のヘアピンを抜けていく。公道ということもありコース幅が狭く4コーナー(2IFCの北東部側)のシケインを曲がり切れなかった車があり、後ろの車が立ち往生しレースはいきなり中断する。

サーキットを走る各車

セーフティーカー先導で再スタートし、3周後にバトル再開のリスタートとなる。20周目に2番手につけていたバードがベルニュをパスしてトップに浮上する。フォーミュラEは電池などの関係から1度、マシンの乗り換えが義務付けられているが、バードが22周目で乗り換えるとき、誤って自分のピットガレージを過ぎてしまう。クルーはガレージから乗り換えの車を出し、バードはピットレーンで2台目に飛び乗ってレースに戻る。

これはルール違反であることから、バードにドライブスルーペナルティが課せられた。しかし、香港のサーキットはピットレーンが短く、2位のベルニュに大きくギャップを築いていたため逆転を許さずトップでレースに戻る。そして、そのまま悠々と優勝を飾った。

美しいレースクイーンたち

★車両規定違反でローゼンクビストが繰り上げ優勝

2日目の決勝は信号のトラブルでセーフティーカーからスタート。それが解除されると、ポールのローゼンクビストがまさかの1コーナーでスピンし下位に沈む。首位に立ったのはエドアルド・モルタラ(ドイツ)で、順調に周回を重ね2位以下に付け入るスキを与えない。

レースクイーンとはまた次回会いましょう

残り2周となったところでモルタラがなんと単独スピン(本人いわく「欲が出てファステスト・ラップを狙った」)。2位につけていたダニエル・アプト(ドイツ)がトップでチェッカーを受けた。続いてスピンから怒涛の追い上げを見せたローゼンクビスト、モルタラの順となった。

しかし、レースはそれで終わらなかった。なんとレース後の車検でアプトの車両に規定違反が発覚。インバーターなどに張られているセキュリティー用のステッカーのバーコードが事前登録していたものと異なったためだ。チームは異議申し立てを行う考えを示していたが12月4日に控訴を取り下げたため、アプトはレースから除外扱いとなり、ローゼンクビストが繰り上げで優勝となった。

小林可夢偉も急きょ参戦

小林可夢偉は急きょ参戦が決まったため、マシンの特性をつかむのとセットアップなどに苦労し下位に沈んだ。テスト走行は事実上行っていないと言っていい走行量であったにも関わらず、レースではオーバーテイクを見せるなど、慣れればしっかりと走れるという手ごたえを感じさせるものだった。

小林可夢偉のマシンを調整するクルー
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