課文238「血の巡りを整える」

課文238「血の巡りを整える」

サポニン豊富な飲む漢方

田七（別名・三七）のすごいのは、血の巡りをちょうど良い状態にしてくれるところ。つまり「血行を良くする」「血を止める」という正反対の作用が同時に存在する。

ある方の妹さんが、病気のために出血が多くなり、それを止めるための薬を飲んでいたところ、その薬の副作用で左脚の裏側上から下まで数珠つなぎのように血栓ができた。それで、再入院治療をしたものの、血栓はなくならず、どうしようもなかった。

そんなときに、何か良い方法はないのかと相談を受けた私。「温漢飲　田七」をお勧めした。飲み始めて25日後、病院で血液検査とエコー検査をした結果、血栓は無くなっていて、Dマイナー数値も正常に戻っていたと連絡をいただいた。今では、普通にお仕事をし、ジムにも通うほどの体力が戻っているだけでなく、いつも笑顔で生活してはる。まさに、田七の働きが役立った。

田七は、明代の辞典「本草綱目」では、上品（長期使用により、体のバランスを整えてくれ、不老長寿に導く。副作用はない）に属す、高級漢方。成分には、体内のコレステロールの除去や、血栓のもととなる過酸化脂質の生成を抑制する作用がある「サポニン」を豊富に含む。また、体に活力を与えるアルギニン、血管に働きかけるフラボノイド、さらにビタミンやミネラルなど多くの栄養成分も。

お酒を飲む前に飲むと、翌朝の二日酔い対策になる。また、普段から飲み続けることで、疲れた肌や体が回復するだけでなく、胃潰瘍、糖尿病、動脈硬化、肝機能の衰え、低血圧、高血圧、婦人病にまで効果を発揮する。体をバランスのとれた正常な状態に導くので、元気になるのを実感できる。元気になったら、気持ちも前向きになり、ストレス軽減にもつながる。（田七は血の流れを動かす作用があるので、妊婦さんは控えて）

この「温漢飲　田七」は、田七97%、マルチデキストリン（でんぷんを加水分解したもの。消化吸収がよく、エネルギー補給などに利用される）3%。

作り方は、一袋を少量のお湯で溶かし、さらにお湯を200〜300CC加えてかき混ぜる。朝半分飲み、夜半分飲む。最後に底に沈殿物が残るが、田七本体なので、すべて飲みきること。

血のめぐりでお悩みの方は、試してみる価値があると思う。
（このコーナーは月1回掲載）

筆者・楊さちこ

1961年大阪生まれ（国籍：日本)
南京中医薬大学・中医美容学教授・中医学博士
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。大学では「高木祐子奨学金基金」を設立し、中医学の社会的地位の向上に尽力。「いつまでも美しく」 をモットーに美に関する商品開発をはじめとするトータルプロデュースを手がけている。著書は『肌がつるんと若返る「ガーゼ洗顔」』(マキノ出版)、『綺麗なひとは、やめている。』(幻冬舎文庫)、『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)、『72時間で自分を変える旅 香港』(幻冬舎)のほか、2016年には香港の健康長寿に着目した『世界一の養生ごはん』(小学館)、『香港美人が教えてくれた美しさが永遠に続く６つの法則』（光文社）を上梓。郵便局だけで買える、おいしい家庭料理の本『dancyuクッキング』（プレジデント社）に長寿世界一「香港」の、おいしい養生ごはんを連載中。