11月20~30日のニュースから抜粋

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11月20~30日のニュースから抜粋
(月〜金曜に毎日配信)

■日清食品がIPOに向け公募開始

日清食品が新規株式公開(IPO)に向け、11月29日から公募を開始することがわかった。28日付香港各紙によると、同社は1株当たり3.45〜4.21ドルで2億6900万株を発行、最高で11億3100万ドルを調達する見込みだという。取引単位は1000株で、4252ドルからの投資が可能となる。公募締め切りは12月4日正午、主幹事は野村証券が務め、11日に上場する予定だ。大口投資家には伊藤忠商事や三菱商事、カゴメなど日系大手が目立つが、珍しいところではシンガポールの飲料会社の楊協成の名前も見られる。今回の上場は香港を含む中国事業の分離上場。日本では日清食品ホールディングスとしてすでに東証1部に上場している。

■小学生7人に1人が抑うつ状態

香港の小学生の7人に1人が抑うつ状態にあることがわかった。11月20日付香港各紙によると、これは浸信会愛羣社会服務処が今年1〜3月に香港内の小学校14校の生徒1301人(9〜13歳)を対象に抑うつ状況を調査したもの。その結果、全体の13.2%、すなわち7人に1人が抑うつ状態にあると認められ、かつそのうち9.7%と1割近い生徒が深刻な状態にあるという。抑うつの原因として挙げられているのが、多すぎる宿題と進学問題、そして学業不振。同会の李明琳・臨床心理士は「学習体制が子供たちにストレスを与え焦燥感を煽るものになっている」と香港の教育制度を批判、保護者に対し「必要以上に勉強を急かさず、子供たちに寛げる時間や空間を与えてほしい」と呼びかけた。

■体内にコカイン隠し大便失禁

香港税関は香港国際空港で11月18日、避妊具に入れたコカインを体内に隠して密輸しようとした女の身柄を拘束した。11月20日付香港各紙によれば、自称・小売商の容疑者(52歳)はペルー籍で、オランダ経由で来港。18日に税関を通過する時、挙動不審だったことから税関職員が呼びとめたところ突然大便を失禁し、液体が入った避妊具数個を排出したという。運ばれた病院でのX線検査で体内に大量の避妊具が見つかり、翌19日に180個を排出した。いずれも中には液状のコカインが入っており、1個は約14グラム、合計2.5キロは末端価格230万ドルに相当する。さらにまだ体内に8〜10個残っている可能性があるそうだ。当局ではコカインの出自と香港が目的だったのかなどについて捜査を進めている。医師は、コカインが液状だったため飲み込みやすかっただろうと指摘。しかし、もしも体内で避妊具が敗れコカインが漏れ出した場合、慢性中毒になる危険性があるのだという。今回は、毒物を体内に隠しての密輸としては今年最大の事件だ。

■ピークの高級住宅がアジア最高値

先ごろ発売された住宅が1平方フィートあたりの価格としてはアジア最高を記録し、話題となっている。11月21日付香港各紙によると、その物件とは九龍倉と南豊グループがビクトリアピークに建設した集合住宅「マウント・ニコルソン」。同一オーナーが購入した2物件が1〜2位を占めており、1位は面積4242平方フィート、5億6020万ドルの物件で、1平方フィートあたりでは13万2060ドルに、2位は面積4579平方フィート、6億470万ドルの物件で、1平方フィートあたりでは13万2059ドルと、僅差の結果となっている。2物件合わせて11億6000万ドルを越える額となるが、購入者の詳細は伏せられている。今回の取引で前回首位を記録した西半山の天匯(同10万4803ドル)は3位に後退、価格では26%も引き離される形となった。

■広東省からの給水、約7%の値上げ

特区政府は広東省の東江から供給される飲用水について3年に1度契約を更改しているが、その契約が2017年末に満了し、新たな契約での購入価格は約7%の値上げになるという。11月22日付香港各紙によると、旧契約は15〜17年の3年間で134億9000万ドルだったが、新契約は18〜20年の3年間で144億2000万ドル、値上げ幅は6.88%となる。現行および新契約での給水の上限は毎年8億2000万立方メートルで、香港の給水率を99%確保できるという。過去3年の人民元の上昇と広東省・香港両地の物価上昇率を考慮すると上げ幅は妥当なようだ。香港の飲用水の7〜8割は東江からの給水で賄われ、水は使った分だけ支払うわけではなく一括購入で、購入額相当の水を使いきるかどうかはその年の雨量次第となる。香港の雨量が多い年は東江からの供給は少なくて済むため、数億ドル分を無駄に支払っうことになるとの批判も出ており、20年以降の契約時には一定額の一括購入と、超過分に対する支払いの2段階方式の採用を検討するという。

■元民政事務局長が汚職容疑、米国で逮捕

特区政府の元民政事務局長である何志平氏が先ごろ、汚職容疑で米国内で逮捕された。11月24日付香港各紙によると、何氏は上海市のエネルギー会社の代表としてウガンダの要人にわいろを送った疑いがかけられている。何氏とウガンダとの仲介役をしたというセネガルの元政府高官も同時に逮捕され、2人は起訴されたという。何氏は現在、現地で収監されており、保釈を申請するものとみられる。12月20日に1回目の審理が行われる予定だ。何氏が逮捕された時期は、中国華信能源有限公司がロシアの国策石油会社「ロスネフチ」との提携を発表し、2018年1月から中国へ最大で6080万トンの原油を供給するという5年契約を交わしたことが明らかになった時期と重なる。そのため、この逮捕がロ中間のエネルギー戦略に影響を及ぼすことが考えられ、今回の逮捕劇には米国の政治的思惑があるとの見方も出ている。

■微信支付、MTR券売機で利用可能に

中国本土で広まっているスマホの決済アプリのひとつ「微信支付(ウィーチャット・ペイ)」が、香港のMTR駅でも利用可能になることがわかった。11月24日付香港各紙によると、利用できるのは券売機での乗車券購入時の決済のみで、購入も片道乗車券に限られるという。現行の八達通(オクトパス)のようにセンサーを利用し乗降ができるわけではない。MTRでは早ければ12月中旬のサービス開始をアナウンスしており、対応券売機が増設される駅は当初1~2駅とのみ明かし、詳細はまだ公開していないが、羅湖と落馬洲の2駅という情報も漏れ伝わっている。人民元のまま両替の手間なく使えることから中国本土客を意識したものとみられるが、香港仕様のウィーチャット・ペイHKでも利用は可能だ。一方、微信のライバルともいえるアリババ傘下の支付宝の広報も「支付宝でも同様のサービスを検討中。MTRの乗車券購入などの新機能の導入を予定している」と明かした。

■政府施設、ペットボトルの自販停止

特区政府はゴミ削減を目的に、政府管轄場所(施設および土地)に設置された自動販売機でペットボトル入り飲用水を販売することを2018年2月20日から取りやめる。11月24日付き香港各紙によると、対象となる場所は政府庁舎、公営体育館、運動場、カントリーパーク、公共交通機関、劇場など。すべてのペットボトル入り飲料ではなく、1リットル以下の飲用水のみ販売しないことになる。政府では2016年から政府主催のイベントや行政会議などでペットボトルでの飲用水の供給をやめ、ガラス容器や再利用可能な容器での供給へと切り替えている。現在、政府管轄場所には約1540台の自販機が設置されているほか、約1万500台の飲用給水器がある。販売停止しても市民が自主的に容器を持参したり、飲用給水器を利用するなどで、大きな混乱や問題はなさそうだ。

■紙おむつと粉ミルク、本土が関税撤廃

中国本土に輸入される紙おむつと一部の粉ミルクの関税がなくなることがわかった。11月25日付香港各紙によると、これは中国国務院関税税則委員会が24日に発表したもので、新関税率は12月1日より実施されるという。大幅な減税対象となっているのは前述の2品目だけでなく、食品、薬品、日用品、衣類、家電など多岐にわたっており、計187品目を数える。187品目の関税率は平均17.3%だが、新税率では同7.7%となる見込みだ。中でも紙おむつと粉ミルクは中国本土からの観光客の買い物の定番だったが、今回の措置により本土客目当ての薬局兼乾物屋が困難に直面するとの見方が強い。ただ港九薬房総商会の張徳栄・理事は「粉ミルクの需要が以前ほどではなく、また関税がゼロになるのはペプチドミルクやノンラクトミルクなど4種類のみ。薬局の売り上げの全体の1%にも満たないので影響は軽微」と懸念を一蹴した。

■「明治THE Chocolate」が香港に進出

「明治THE Chocolate」の本格的な香港進出を前に11月24日、尖沙咀にある和食レストラン「塚田農場」で記者会見が行われた。新商品は昨年9月に日本で販売されて以来1年間で売り上げ3000万枚を超えた人気商品。香港ではダークチョコレート2種、ダークミルク2種、抹茶の全5種類販売する(24〜25ドル)。カカオ香料やミルク香料を一切使用せず、厳選したカカオ豆を使用、発酵、焙煎から調合、成形までチョコレート製造の全工程にこだわり素材の味を表現。さらに板チョコの形態を進化させ、1枚にそれぞれ異なる模様をつけることで割り方、舌触りが違うことで味わいの変化を楽しめるようにデザインされている。今後は同商品のコンセプトである「Bean to Bar(製造工程の全てを自社で一貫して行うこと)」を学べるワークショップイベント「カカオスクール」を開催、カカオ豆からチョコレートになるまでの一連の過程や普段みることができないカカオポットに触れ、体験してもらうなど、チョコレートの新しい価値を提案、大人の嗜好品としての文化を進化させていく。

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