周庭/颱風

周庭
20歳の現役女子大生で政治活動家、「学民の女神と呼ばれる」周庭(アグネス・チョウ)氏の政界参入はあるのか?

街頭で募金を呼び掛ける周庭氏

  非親政府派議員6人が相次いで議員資格を喪失したことで、20歳の女子大生、周庭(アグネス・チョウ)氏の補欠選挙出馬のゆくえが注目されている。

 この補欠選挙は、2016年の立法会議員選挙で当選しながらも規定通りに就任宣誓を行わなかったり、宣誓が不誠実だとして無効と判断された本土派「青年新政」の梁頌恒氏と游؟‮٧‬禎氏、自決派の劉小麗氏(無所属)、姚松炎氏(建築・測量・都市計画・緑地設計業界選出)、羅冠聡氏(香港衆志)、過激な民主派の梁国雄氏(社会民主連線)の議席が空席となったために行われるもの。この6人はともに裁判で議員資格喪失の判決が下されていた。

 周氏は「雨傘革命」とも呼ばれる2014年の大規模デモ「セントラル占拠行動」に参加した学生の1人。中学生だった2012年に特区政府が推し進めようとした道徳・国民教育に反発。黄之鋒氏らが率いる「学民思潮」に参加し、「セントラル占拠行動」では広報を担い、「学民の女神」と呼ばれ知名度を上げた。その後、香港浸会大学(バプテスト大学)に進学。政治学を学びながら、2016年に羅氏、黄氏らとともに「香港衆志(デモシスト)」を設立した。

 だが高等法院(高等裁判所)上訴庭が8月17日、「セントラル占拠行動」の学生リーダーだった周永康氏(香港専上学生連会元秘書長)と羅氏、黄氏の3人に禁固刑を下したことで、3人は今後5年、立法会議員選挙などに立候補できない。「青年新政」の梁氏と游氏も補欠選挙への出馬はしない意向を示しており、民主派などが知名度のある周氏の出馬に期待を寄せ始めた。

 周氏は日本語を話せるため、日本のメディアにもたびたび取り上げられているが、「セントラル占拠行動」の最中に「疲れた」と言って一時的に運動から離れた時期があり、補欠選挙への出馬も20歳の女性には荷が重すぎるのではとの見方もある。

颱風
温暖化の影響か、以前にも増して香港に接近する「颱風(台風)」が増えている。よく目にする台風のシグナルとは?

シグナル10の台風では倒木が相次いだ

 先ごろ、大きな被害をもたらした台風13号(ハト)、台風14号(パカー)が相次いで香港に接近し、台風警報「シグナル8」や「シグナル10」が発令された。香港天文台の資料によると、今年はこれで香港に接近した台風に対し4つ連続でシグナル8が発令されたことになる。観測史上4つ連続でシグナル8発令となったケースは、1948年以来2度目、69年ぶりだ。

 では、この台風のシグナルにはどのような基準があるのだろうか。香港に接近した台風のシグナルは香港天文台が決めている。

 台風が接近すると、香港天文台は距離や風力に応じた台風シグナルを発令する。数字によるシグナル表示は1917年に採用され、当初は風力だけでなく、風向きによっても等級があって1〜1010段階に細分化されていたが、混乱を避けるため風向きによる区別をやめ、1973年からは1、3、8、9、10だけになった。

 シグナル8以上が発令されると、教育機関は休校となり、証券取引所や役所などの公的機関、フェリーや路線バスなどの公共交通機関も停止する。また、シグナル8発令下で勤務に当たらせ負傷した場合、雇用主の責任となるため、民間企業でも従業員を早めに退勤させるのが習いだ。

(この連載は月1回掲載します)

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