美しいティータイム
シンガポールを拠点とし、アーティストとしての評価も高いパティシエ・Janice Wong氏が、香港島西部の街並みにインスパイアされたアフタヌーンティーセット「Cha Chaan」(2人分508ドル)を考案した。本紙1481号で紹介した西環の「COBO HOUSE」で、今夏から週末のみ1日10セット限定で提供している。
テーブルで歓声があがる「Cha Chaan」のデコレーションから連想するのは、香港のローカル式カフェ茶餐庁(ちゃーちゃんてん)のにぎやかさ、香港島を走るトラム、そして色鮮やかな街並みだろうか。塩味のセイヴォリーも甘味のスイーツも、ひとつひとつが宝石のように美しく、ユニークだ。「Chorizo Cube」の中はリゾットで、キャビアとトマト・スープのトッピング。「Mushroom Garden」はキノコ類のピューレに、同店屋上にある「沖縄海砂ガーデン」の自家製野菜を飾る。「Green Tea Financier」は京都の辻利兵衛の宇治抹茶を使ったフィナンシェ。同店のメニューに日本の食材が多く使われているのは、幼少期に日本で暮らしたJanice Wongさんが、現在も頻繁に日本全国を旅して食材を発掘しているから。
飲み物のチョイスも豊富。Janice Wong Signature Teaのユニークなブレンドと、同店隣のカフェArtisan Room(本紙1451号で紹介)と同じCostadoro Coffeeを用意している。
店名の「COBO」は「Community of Bohemians」の略。店内では異国情緒ある絵画が目にとまる。尖沙咀にあるアートなショッピング・モールK11の創立者Adrian Cheng氏が同店をデザインし展示作品をキュレーションしていると聞けば、ハイセンスなチョイスにも納得だ。店内の隅々までアートなこだわりが感じられ、それでいてゆったりとした空間で過ごす週末のアフタヌーンティーは、心も体も満たしてくれるだろう。
(文・綾部智美/取材協力と写真提供・同店)
■COBO HOUSE by 2am:dessertbar
所在地:G/F and 1/F, 8/12 South Lane, Sai Wan, Hong Kong (HKU MTR Station Exit B2)
「Cha Chaan」セットは 土・日・祝日 3:00〜5:30, 1日10セット限定、要予約
電話:2656-3088
webサイト:www.cobohouse.com