課文233 「沈香で心と体を癒やす」

パワーを与える天然香料

「極上招福沈香塔」5塔2900円アジアンコスメオンラインで発売中。(www.asian-cosme.asia

お香やお線香の香りのもとになる原料のことを「香料」といい、香料にはさまざまな種類があります。香料は化学的に合成されるものなどもありますが、伝統的な香りのお香やお線香には天然香料が使われています。

今回ご紹介するのは「極上招福沈香塔」。沈香の特徴は、「通常の木材より重く、水に沈む」「熱すると強い芳香を放つ」。沈むのは木質に沈着した重い樹脂成分だから。芳香を放つのは樹脂が揮発するからです。沈香の元になる木は樹齢30年を越えないと樹脂の沈着が起こらず、100年以上の古木でなければ良質の沈香素材となりません。そして、枯死して後、泥沼地に埋没し、 バクテリアによる分解・変成作用を受けて初めて馥郁たる芳香を発するといわれています。

このような条件を満たす原木は、広大なジャングル全体においてもごくわずかで、そして、沈香が採取できるのは、そうした原木のさらに1%に満たない部分でしかないのです。

昔からアジアの人々は、「生きている人の精神にパワーを与え、あるいは死者の霊が地上を漂う間の食物となる、魂の栄養素」として、「魔を払い、厄を除け、神仏を荘厳する清浄な気」として、愛用し続けてきています。アジアには、自然界から新しい若々しい気をいただくことにより、体内に溜まって古くなったり、悪くなったりした気を吐き出すことが、生きていく力の源になるという信仰が今でも生きています。

中医学的には、降気、止痛、止嘔などの効能があり、体内を温めて痛みや吐き気を止める高級漢方とされています。製香業では最上の材料となります。

宗教上では、沈香を用いることで、諸仏に礼し、菩薩を敬い、その香気が仏菩薩の来迎を請う助けとなります。静かに座って、沈香を炊くと、乱されず、邪気を払う効果があると言われています。

たくさんの沈香を試した中で、「あ、これ!」と、心にも体にも響いたのが、この「極上招福沈香塔」です。スゴイのは、5塔のうちの2塔は護符で巻いてあるところ。パワーがアップされているので、ほんまにしんどい時にもってこい。

お風呂に入って身を清めた後このお香を焚くと、心も体も癒やされて至福の時間を過ごすことが出来ます。わたしのパワーの源なんです。

(このコーナーは月1回掲載)

筆者・楊さちこ
1961
年大阪生まれ(国籍:日本)
南京中医薬大学・中医美容学教授・中医学博士

日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。大学では「高木祐子奨学金基金」を設立し、中医学の社会的地位の向上に尽力。「いつまでも美しく」 をモットーに美に関する商品開発をはじめとするトータルプロデュースを手がけている。著書は『肌がつるんと若返る「ガーゼ洗顔」』(マキノ出版)、『綺麗なひとは、やめている。』(幻冬舎文庫)、『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)、『72時間で自分を変える旅 香港』(幻冬舎)のほか、2016年には香港の健康長寿に着目した『世界一の養生ごはん』(小学館)、『香港美人が教えてくれた美しさが永遠に続く6つの法則』(光文社)を上梓。郵便局だけで買える、おいしい家庭料理の本『dancyuクッキング』(プレジデント社)=写真=に長寿世界一「香港」の、おいしい養生ごはんを連載中。

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