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6月27日~7月5日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)
■上半期IPO額4位、通年も3位脱落か
会計事務所のアーンスト・アンド・ヤングが2017年上半期の株式市場についてのリポートを発表。新規株式公開(IPO)による資金調達額の世界ランキングで、香港がトップ3から脱落したことがわかった。6月27日付香港各紙によると、香港市場の資金調達額は、1位のニューヨーク(1474億ドル)、2位の上海(858億ドル)のみならず、3位の深圳(554億ドル)にも抜かれ538億ドル(前年同期比23%増)で4位。同社の蔡偉栄パートナーは「IPOの件数自体は前年同期比で82%増と勢いがあり、かつ通年の調達額2000億ドルも達成可能」などとポジティブな見方は示したものの「米中の他市場はそれを上回っており、差は広がっている。通年でトップ3以内に入るのは難しい状況だ」と予測した。
■ピンクドルフィン、赤ちゃんは1頭
香港域内に生息するシナウスイロイルカ(通称:ピンクドルフィン)が急激にその数を減らしている。6月27日付香港各紙によると、先ごろ漁農自然護理署がピンクドルフィンの生息個体数について最新リポートを発表した。これは2016年4月1日から17年3月31日に、ピンクドルフィンの主な出没地点であるランタオ島周辺の4つの海域(西南、西、西北、東北)で生息数を調査したもの。確認できたピンクドルフィンの個体数は計47頭で、観測開始以降最も少ない。過去3年の個体数の推移を見ると、14年が87頭、15年が65頭、16年(今回発表)は前年比27%減。さらに東北部の海域については、昨年に続き確認数はゼロだった。また、4つの海域で確認できた生まれたばかりの幼体はわずか1頭で、出生率が低くなっていることがうかがえるという。
■屈臣氏グループ、年内に新規60店舗
長江和記実業(CKハチソン)グループ傘下の屈臣氏グループが、年内に60店舗程度を新規開店する計画をあきらかにした。6月28日付香港各紙によると、店舗の内訳はドラッグストアの屈臣氏(ワトソンズ)のほか、スーパーの百佳(パークン)、家電の豊澤(フォートレス)も含まれるが、豊澤の割合はほかに比べ抑えられるという。これについて同グループの倪分玲・首席運営総監は「4月で言うと、ワトソンズやスーパー関連は売り上げも伸びて明るい兆しも見えてきたが、電器は中国本土客の減少が響いて前年比で2けたも落ち込んだため」と説明、対応策として、従来の家電品のほか家庭用品や高級オーディオ機器、ゲーム機など品揃えに幅を持たせるとしている。
■4大デベロッパーが週休2日制に
世界的にワークライフバランスの重要性が叫ばれる中、大手不動産デベロッパーが週休2日制への移行を決めた。香港では土曜も半日営業する企業が多く、1週間の勤務時間は5.5日が一般的だが、すでに週5日勤務を実施している新世界発展につづき、新鴻基地産5月1日から週休2日化制を導入した。6月28日付『香港経済日報』によると、6月1日には長江実業も追随。これで四大デベロッパーがそろって週休2日制を導入したことになる。人材コンサルティング業関係者は、失業率が低い水準を維持する中、転職による人材の流出を防ぎ有能な人材を確保するには福利の改善が必要と指摘。こうした福利厚生の見直しは金融業界にも波及しており、香港上海銀行(HSBC)は7月1日から一部職種の有給休暇をこれまでの年間15日から18日へと増やすという。
■翠華餐庁、年内に新ブランド店
茶餐庁(香港式大衆食堂)チェーンの翠華餐庁が新ブランドを投入予定であることがわかった。6月29日付香港各紙によると、これは28日に行われた翠華ホールディングスの業績発表(2016年4月〜17年3月分)であきらかになったもの。現在、中環で開店予定の新店舗からの展開が検討されており、翠華の名にこだわらない店名になるという。同年の売り上げは18億4500万ドルと前年比で1.2%ほど減少したものの、純利益は26.2%増の9048万3000ドルと比較的好調で、今後の経営戦略として2022年までに中港澳合わせて130店舗体制を目指すと発表された。また同社の設立がTVBと同じ50周年を迎えることから、同局のテレビドラマのスポンサーになることも明かされた。TVBとの関係は『溏心風暴3』からになる。
■中国初の宇宙飛行士、小学生と交流
香港特区成立20周年の記念行事の一環である科学技術展「創科駆動 成就夢想」が6月29日〜7月2日、ビクトリア公園で開催された。この展覧会では中国の宇宙事業の解説をはじめ、ロボット工学に関する資料も展示。ロケット発射台の模型の展示やロボットと市民がバドミントンで対戦するイベントなどが行われた。6月29日午後には中国の宇宙飛行士である楊利偉、景海鵬、陳冬の3氏が来場し、香港の小学生300人と交流した。3人は「エイリアンを見たことがあるか?」「宇宙に行くことに危険はないのか?」などの子供たちからの質問に笑顔で答えつつ、実体験を交えながら宇宙について語った。中国初の宇宙飛行士である楊利偉氏は、中国にはすでに11人の宇宙飛行士がおり、スペースステーションが完成すれば、将来科学技術者を派遣することも可能になるので、香港から宇宙飛行士が誕生することももはや夢ではないと語り、子供たちを激励した。
■夏の日本旅行1割増、離島や夏祭り
香港市民には定番の夏休みの日本旅行だが、今年は個性的なツアーが人気のようだ。7月3日付『香港経済日報』によると、縦横遊では「北海道秘境7日間」(1万6499ドル〜)と題した、利尻島や礼文島、宗谷岬を回るツアーが人気ですでにほぼ売り切れの状態。青森ねぶたや秋田竿灯などをめぐる各入場券付きの「東北4大祭典5日間」(1万7699ドル〜)は募集人数が限られていたこともあり、すでに完売となっているという。同社は日本旅行を主力商品として位置づけているが、袁振寧・執行董事は「韓国は朝鮮半島の緊張から、欧州はテロへの不安から敬遠されているため」とその背景を説明、「夏休み旅行はすでに7割方売れ好調だが、特に日本行きのツアーには昨年の1割増しの売り上げを期待している」と述べた。
■堂島ロール、中環にオープン
堂島ロールで有名な「Mon Cher」の新店舗が中環(セントラル)Lyndhurst Terraceにオープンした。店内は白を基調にすっきりした550平方フィートの空間が広がる。テイクアウトだけでなく、椅子を7席分のイートインスタイルになっており、堂島ロールをはじめケーキはおよそ15種類を販売する。今後はソフトドリンク、アルコール&スナック類もメニューに取り入れていき、新しい形のケーキショップを目指す。2013年に香港に進出、5店舗目となるセントラル店では北海道牛乳を使用した甘みがおさえられたソフトクリーム「堂島北海道ミルク」(52ドル)、「宇治抹茶ソフトクリーム」(52ドル)などの限定メニューを用意。またセントラルは場所柄、観光客も多く、食べながら街を歩く人も多いことを考慮し、片手で手軽に食べられる恵方巻よりやや小振りのサイズの「ハンドロールケーキ」(48ドル)も限定販売する。Mon Cherディレクターの金春花氏は香港の飲食市場の厳しさを感じながらも「だからこそ香港市場はとても挑戦しがいがある。今後も常に進化したモンシェールを作り続けていきたい」と語った。
■オフィス賃料、金融危機前の高水準
高値が続く中環のオフィスの賃料が金融危機以前の水準にまで戻ったことがわかった。7月4日付香港各紙によると、これは不動産コンサルタントのジョーンズ・ラング・ラサール(JLL仲量聯行)の調べでわかったもので、同地区において上半期の高級オフィスの月額賃料(1平方フィートあたり)が116.4ドルと前期比で3.6%も上昇、2008年の金融危機以前の高値水準に戻ったという。同社のベン・ディキンソン租賃業務主管はその理由について「中国本土系企業の旺盛な香港進出にある。上半期における同地区の新築物件の借主の5割が中国本土系企業で占められており、空室率も1.9%と低水準なため」と説明した。
■空母・遼寧の参観券に市民殺到
香港返還20周年の祝賀行事の一環として7月8、9日に中国人民解放軍の航空母艦「遼寧」と艦艇3隻が一般公開される。その参観券が7月3日配付されたが、夜通し並ぶ市民が多くいたため、急遽配付時間を早めることになった。7月4日付香港各紙によると、配付は当初3日正午を予定していたが、雨天の中、前の晩から市民が長蛇の列をつくったことから、同日午前6時から整理券を配付した。午前3時から並んだにもかかわらず手に入れられなかった人もいたという。こうした人気の高さからインターネット上ですでに「遼寧号の参観券を譲ってほしい」という投稿が見られ、500〜1000ドルで購入したいという書き込みがあるものの、参観券は実名登録制のため転売は不可能となっている。空母の姿は香港島西部から遠目に見ることができるという船舶業関係者の話を紹介している。過去に米国などの空母が停留した記録から、今回遼寧号はラマ島と香港島の間に位置する「交椅洲」の南方沖合に停泊すると予測。香港島西南部の西営盤のサイバーポート辺りから眺められる可能性があるそうだ。