台風2号(苗柏/Merbok)の影響で6月12日17時20分に台風警報で最高ランクのシグナル8が今年初めて発令された。13日4時40分にシグナル3へと降格したが、この悪天候でさまざまな被害が出た。6月にシグナル8が発令されることは珍しく、1年のうちに最も早く発令された記録としては1999年6月7日以来18年ぶりのことだ。13日の政府公報によれば、13日4時30分までに政府保護シェルターに避難した市民は239人。13日4時30分までに公立病院の救急処置室に搬送された人は43~71歳の計10人(男性3人、女性7人)だった。香港機場管理局(HKAA)の資料によると、13日5時までに、計44便が欠航、350便が遅延した。このほか、政府当局に通報があった樹木の倒壊は20件だった。当局が確認した浸水・土砂崩れの報告はないという。一方、今回はシグナル8発令がピークタイムに重なったことから各交通機関で深刻な渋滞を招いたほか、天気が悪化する中を帰宅せねばならなくなり、市民から天文台への不満が噴出した。天文台は11日に今年初のシグナル1を発令していたものの、当初は台風2号が香港に及ぼす影響をそれほど大きくないと予測し、12日の日の出前にシグナル3に昇格することはないと発表。ところが12日10時40分にシグナル3を発令以降、台風は急速に勢力が拡大したため、15時30分に「2時間以内にシグナル8を発令する可能性がある」と発表し、17時20分にシグナル8を発令するにいたった。市民の中には天文台の予測は年々ひどくなると批判する声もあるようだ。【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=15952