メルマガ『日刊香港ポストe-mail版』
5月15~25日のニュースから抜粋(月~金曜に毎日配信)
■たんすの中に隠れて、元カノを強姦
合鍵を盗み元カノを強姦した男の裁判が5月11日、高等法院で開かれた。12日付香港各紙によると、被告は職場の同僚として知り合った被害女性と2014年に交際を始めたものの数カ月後に別れた。しかし別れた後も友人として親しくしており、ときに女性宅に遊びに来ていたという。14年10月に被告が望む復縁を女性は拒否したものの女性宅に泊まることは容認。女性自身は親せき宅に行って一晩過ごしたが、その機会に被告は女性宅の合鍵を盗んでいた。翌日、女性が不在のうちに家に忍び込みたんすの中に隠れた被告は、夜になって帰宅した女性を強姦したほか、口淫を迫り、その様子を携帯電話で撮影した。さらに翌朝、再度性交を強要し、女性が拒否するとナイフを脅かして強姦した。女性は同日午後に通報し被告は逮捕されたが、被告は逮捕前に陰茎に痛みを感じて病院へ行き、「元カノを強姦しようとしたら抵抗されてケガをした」と告白していたという。
■丸亀製麺が譚仔雲南米線を買収
「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングスが、汁ビーフン専門チェーン「譚仔雲南米線」を傘下に持つ同心飲食を完全買収すると5月15日発表した。16日香港各紙によると、買収金額は10億ドルで、買収目的は中国事業の拡大をにらんだものとみられる。今回買収される譚仔雲南米線は、譚一族の五男の譚澤均氏が率いており、実兄である三男の澤群氏経営の「譚仔三哥米線」とは2008年に袂を分かつ骨肉の争いがあったと香港メディアでは報じられている。ただ、香港での「譚仔」の商標は両社の共同所有で、かつ「譚仔雲南米線」の中国本土での商標は澤群氏が所有していることもあり、両社の話し合いが持たれたとの見方が有力だが、三哥米線側では「ノーコメント」の姿勢を貫いている。外資の香港飲食業の大型買収としては、14年のLVMHグループによる翡翠小籠包が記憶に新しい。
■香港ディズニー、新ホテル開業
香港ディズニーリゾートの新ホテル「ディズニー・エクスプローラーズ・ロッジ」が5月16日に正式にオープンした。17日付香港各紙によると、同ホテル最大の特徴は熱帯気候をテーマにした4つの庭園。ジャングルブックをモチーフにしたアジアゾーンでは香港では珍しい山桜に椿、もみじ、金木犀が、ファインディングニモのオセアニアゾーンでは赤やオレンジなど様々な色のプルメリア、カールじいさんの空飛ぶ家の南米ゾーンでは旅人の木やトックリキワタ、ライオンキングのアフリカゾーンではモリンガやサボテンなど、四季折々の花と植物計700種17万本が途切れることなく楽しめるという。また同園では6月14日~9月3日に「マーベル・スーパーヒーロー・サマー」と題したイベントを開催。マーベルコミックの世界を疑似体験したり、スパイダーマンやキャプテンアメリカと一緒に写真撮影ができる。
■別の身代金ウイルスが特区政府を攻撃
ランサムウエア「WannaCry」による攻撃が世界各地で猛威を振う中、別の悪意のあるソフトウエアが香港特区政府のコンピューターシステムに侵入しようとしていたことが分かった。5月18日付香港各紙が伝えた政府資訊科技総監弁公室の話によると、近日政府宛てに送信された怪しい電子メール数万件のうち、約100件がユーザーのメールボックスに送られており、それが身代金ウイルス「Jaff」であることが確認されたという。当局はすでに処理しており、政府のコンピューターシステムに影響は出ていない。この「Jaff」による被害で香港電脳保安事故協調中心に寄せられた市民からの通報は目下1件で、2万8000ドルの支払いを要求されたケースだという。一方、「WannaCry」による被害だが、5月13日に初の被害報告があった以降これまでに31件が確認されたが、5月17日は新たな被害報告および問い合わせ・相談は出ていないという。
■中国本土にエアガン密輸で禁固7年
香港市民の中国本土へのエアガン(空気銃)持ち込みに関する裁判2件の第1審の判決が深セン市で下された。5月18日付香港各紙によると、両者とも落馬洲から福田口岸にエアガンを持ち込んでおり、1件は昨年の7月27日に香港城市大学の学生が報酬500ドルでエアガン12丁を、もう1件は33歳男性が報酬400ドルで10丁の運搬を請け負ったというもの。前者は内容物の詳細を知らず、後者はおもちゃの銃であることは認識していたものの、法律違反になるとは思わず加担していたという。判決は武器密輸罪として、罰金刑のほか各々に7年の禁固刑が言い渡されているが、両者とも判決を不服とし、すでに控訴している。中国本土の法律では、エアガンなど摸造品であっても1立方センチメートルあたり1.8ジュール以上の威力を持つものは殺傷能力がある武器と判断、拳銃と同様の扱いになっている。
■ボッシーニ令嬢、誘拐の体験記を出版
ファッションブランド「bossini(ボッシーニ)」創業者の孫娘・羅君兒さん(29歳)が、自身が誘拐された体験を書籍にまとめ出版するという。誘拐事件が起きたのは2015年4月。羅さんは自宅にいたときに突然押し入って来た数人の男たちに誘拐され、114時間にわたり飛鵝山の洞穴に監禁されていた。奪われた身代金は計2800万ドル。その後、誘拐犯は本土で逮捕され、8人のメンバーはいずれも有罪となり、刑期は人によって異なるものの1年10カ月から15年の実刑判決を受けている。5月19日付香港各紙によれば、出版を手掛けるのは唐英年(ヘンリー・タン)元政務長官の広報を担当したことでも知られる敏腕PRエージェントの陳民傑氏が立ち上げたPR会社「圓通財経公関」。7月の香港書展(ブックフェア)で発売を予定しているという。
■キャセイ人員削減600人、管理職も
キャセイパシフィック航空(国泰航空)が600人近い大規模な人員削減を発表した。5月22日付香港各紙と香港電台(RTHK)ニュースによると、削減されるポストの内訳は上級および中級管理職が190人と、上級職員400人の計590人ほど。これらはそれぞれグループ全体の管理職の5%、全職員数の18%にあたるという。同社経営陣は今回のリストラ計画について「スリム化に向けた動き。大部分の部門で改編を予定しており、年末までには終了する」とコメント、先々の追加発表に含みを持たせている。またある職員も「今回は第一段階。第二段階は早ければ6月に発表されるのではないか」と内部事情を明かした。同社の客室乗務員で構成される組合の代表は「今回のリストラに客室乗務員や一般職員はまだ含まれていないが成り行きには注視したい。社内の士気にかかわる問題で、次の発表が気がかりだ」と不安を隠さない。
■港珠澳大橋に手抜き工事疑惑、21人逮捕
廉政公署(ICAC)は5月23日、港珠澳大橋の建設工事をめぐって関係者21人を逮捕したことを明らかにした。24日付香港各紙によると、逮捕者はすべて特区政府土木工程拓展署から業務委託を受けている米国系企業、嘉科工程顧問有限公司の職員。2012年から土木工程拓展署の委託で公共事業の建材の品質試験を請け負っており、13年から港珠澳大橋香港区間の建設に使用するコンクリート・サンプルのストレステストを行っていた。だが試験報告の順序が混乱していることから試験結果に疑問が抱かれ、通報を受けたICACが5月16日から同社幹部2人と実験室の技術・一般職員19人を逮捕。職員らは規定時間内に試験を終わらせず試験設備の表示時間を調整したり、サンプルを金属など別の物に代えるなどで試験結果を偽装したもよう。15年初めから2年にわたり土木工程拓展署に虚偽の試験報告を提出していた疑いがある。偽装の動機は明らかになっていない。特区政府発展局の馬紹祥・局長は、一部建設をやり直す必要があるかどうかについては状況の深刻度をみて判断するとコメントした。
■ウーバー大打撃、おとり捜査22人逮捕
スマホなどを利用した配車サービスのUber(ウーバー)のドライバーが警察のおとり捜査によって一斉逮捕された。5月24日付香港各紙によると、捜査官が利用者を装いドライバーを呼び出す手法で、23日に逮捕されたのは21~59歳の男女計22人。罪状はライセンス不所持と自賠責保険未加入だという。警察ではウーバー運営に対し「法の順守は乗客に対する責任だ。ライセンスを取得していないサービスは一切認めない」と警告、利用者に対してもフロントガラスにライセンス表示のない車両を利用しないよう呼びかけた。一方のウーバー側は今回の処置に関して「香港全域でのあらゆる事故をカバーする保険に加入しており問題はなく、警察の対応は非常に遺憾」と反論、逮捕されたドライバーらに対し法律面での援助を約束している。なお、警察では利用者側の逮捕について検討段階であることは認めているものの、現在は見送っている。
■英テロの影響、香港公演も警備を強化
5月22日に英国で起きた自爆テロでは、米国の人気シンガー、アリアナ・グランデのコンサート会場で爆発が起き、22人が死亡、59人が負傷する惨事となった。アリアナは9月21日に初の香港公演を予定しており、会場となるアジア・ワールドエキスポは公演主催者に適切な保安措置をとるよううながしている。5月24日付『東方日報』によると、海外ではアリアナが今後のコンサートツアーを中止するとの報道も出ているが、5月24日午後8時時点で香港公演の主催者からの中止や延期に関する発表はまだない。アジア・ワールドエキスポではアリアナに先駆け、6月には韓国の少女時代、米国のブリトニー・スピアーズという人気アーティストの公演が続くことから、万一に備え警備を強化。数日前からすでに入場前に行う一般的な荷物検査のほか、金属探知器による検査も開始している。
■幼稚園に刃物男、35年前の惨事の記憶
5月22日、観塘の秀茂坪にある団地「順天邨」内の幼稚園に刃物を持った男が現れ一時騒然となったが、警官がけん銃を構えつつ説得にあたり、最終的に男は投降した。5月23日付香港各紙によると、22日昼過ぎ、園児たち約100人が昼食中に、男が幼稚園を訪問。息子を迎えに来たと言うものの、はだしのままでうつろな目をしており、教諭が今日は登園していないと伝えると激昂し、刃物を持って周囲を徘徊し始めたという。危険を感じた校長は幼稚園を施錠して警察に通報。男女4人の警官が駆け付け、警棒と盾を構えたところ、男が「死にたい」と叫んだため、警官2人がけん銃を向けて男に「刃物を捨てなさい。落ち着いて!」と説得した。やがて男は投降し、攻撃性武器所持容疑で逮捕された。男は失業中で妻と不仲になり、妻が次男を連れて中国本土にある実家に帰ったため精神的に追い詰められていたようだ。香港では1982年に精神疾患の男が自身の母と妹を刺殺した後に幼稚園を襲撃した殺傷事件が起きている。当時、亡くなった6人のうち4人が園児で、負傷者は44人に達した。香港市民にはこの悲しい事件の記憶が今も強く残っており、今回の事件発生時には大きな緊張が走ったという。
■1~4月の犯罪統計、強姦が激増
特区政府保安局は5月23日、最新の犯罪統計を発表した。24日付香港各紙によると、犯罪件数は減少傾向にあり治安は安定しているものの、強姦事件の増加が目立った。今年1~4月に香港で起きた犯罪総数は前年同期比2.5%減の1万8825件、逮捕者の総数は1万66人。うち強姦事件は同76.9%増の23件、わいせつ事件も同11.1%増の311件だった。詐欺事件は2319件で、中国の公安を名乗る手口などを含めた電話詐欺は1月が20件、2月が30件だったが、3~4月は100件と急増しており、当局では市民に注意を呼び掛けている。ドラッグにかかわる犯罪は逮捕者が802人いたものの、犯罪件数は前年同期比3%減の591件だった。
ABC Cooking、香港3店舗目をオープン
料理教室「ABC Cooking Studio」は5月26日、香港3店舗目を太古(タイクー)シティプラザにオープンする。それに先立ちスタジオのお披露目会と試食会とプレス会見が行われた。2600平方フィートのスタジオは13の調理台と一度に50人の生徒が学べる。オープンを記念しフランスの有名調理器具メーカール・ クルーゼ(Le Creuset)氏とコラボしたLe Creuset「ママクッキングクラス」と「 キッズクッキングクラス」(4~8歳対象)など様々なプログラムも用意している。同社は2014年に香港に進出。香港の会員は1万人名を超え、オープンを前に太古スタジオの体験レッスン予約は1000人を超えている。アジア香港シニアマネジャーの田丸玲奈氏は「一つのエリアでこれだけ多くの生徒さんがいる場所は香港だけ。日本のクッキングスタイル、食の人気の根強い人気の高さを感じる。太古エリアは日系モールが多いので特に日本食文化が浸透している場所、新たな挑戦が楽しみ」と話した。
(写真:楢橋里彩)
焼き肉の「298」、新コースメニュー登場
焼き肉専門店「298 Nikuya Kitchen」で新たなコースメニューが5月19日から登場する。先ごろメディア試食会が行われ、日本で「肉マイスター」として多数のメディアに登場している田辺晋太郎氏が来港。「298Nikuya Kitchen」とのコラボでA5和牛もも、A5和牛ブリスケ、A5和牛サーロインをおいしく食べるデモンストレーションを行った。焼き肉を楽しむコツについて田辺氏は「流れを大切にすること」として「乾杯後にナムルやキムチをつまみながら、肉刺しやユッケなどの肉の冷菜を楽しんで、塩タンなどの塩味の物やサラダを挟み、最後にタレ味のホルモンやお肉を食べる。絞めにご飯や冷麺を食べるなどで、お肉を最後までおいしく食べることができる」と話した。新登場するコースメニューは3種類(380ドル~)。2012年に上環でオープンした298Nikuya Kitchenがチムサーチョイに移転して早2年となる。
(写真:楢橋里彩)