チムサーチョイの観光名所「１８８１ヘリテージ」内で営業するホテル「Hullett House」が、テナント契約満了のため５月末で閉館するそうだ▼１８８１ヘリテージは水上警察本部の跡地で、ビクトリア建築の建物は１９９４年に法定古跡に指定された。２００３年に香港特区政府が公開入札を行い、長江実業が50年の運営権を得て再開発に着手。筆者は工事前に現地を参観したのだが、丘の上にある本部から見下ろすビクトリア湾の眺めが素晴らしかった。高層ビルなどない時代、船舶の動きを目視でき、港湾を守るには絶好の場所だったろう▼工事直前まで館内は昔のままにされていて、一歩入るとカビ臭く、ホコリが舞い上がる。警官が使ったロッカーやさびた錨が残され、床には朽ち果てた救命胴衣や容疑者を確保する縄が転がっていた。そんな印象があったので、２００９年に同地がスイートルーム10室のみという高級ホテルに生まれ変わったときは正直驚いたものだが、今度はどんなテナントが入居するのだろうか。 （本）
