卓越した身体表現で魅了
2016年の国際小姐中国大賽(ミスインターナショナル中国大会)は、9月19日に中国のハワイとも形容される海南省三亞で開催された。
中国の選美(ミス・コンテスト)最大の特徴は、エントリーされた選手全員で行う開場舞(オープニングダンス)をはじめ、たっぷり時間を取って行われる美女たちの才芸(特技)披露のステージにあるが、本大会も例外ではなく、中国楽器の古筝演奏や、維族舞、古典舞、絵画披露など、多彩なステージが繰り広げられたという。
地元海南島のゲストからは、苗族や黎族の民族舞踏も披露され、中国にある多彩な少数民族の文化芸能を堪能できるステージでもあった。
この民族色豊かなステージで、冠軍(優勝)を射止めたのが周欣娜(ジョウ・シンナ)さん。内蒙古生まれの漢族(中国人)で、179センチの長身にスレンダーな肢体。審査員は「ゾクッとするような色気がある」と評したとか……。
筆者は東京のミス・インターナショナル世界大会で彼女のステージを拝見したが、プロのモデルをしているだけあって、どのような衣装を着ても見栄えがよく、腕や指先を駆使した繊細な身体表現には卓越したものがあった。これで選外となったのは今でも不思議で仕方がない。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。