4月28日〜5月12日のニュースから抜粋

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■李柱銘氏と黄之鋒氏、米国に干渉求める

 民主党の李柱銘(マーチン・リー)元主席、香港衆志の黄之鋒・秘書長、銅鑼湾書店の林栄基・元店長は5月3日、米国の中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)の公聴会に出席し、米国に対し公然と香港事務への干渉を要求した。4日付香港各紙によると、公聴会ではまずパッテン元総督がビデオを通じて「近年、香港人の自治は侵蝕されている」などと述べたほか、中国に対し英国が強硬な態度を取らないと批判した。黄氏は「1国2制度はすでに1国1.5制度となり、2047年には1国1制度になる」と指摘。米議会が香港の民主をより高い議事日程に盛り込むよう求めた。李氏は民主派議員に対する米国の支援に謝意を表すとともに、米国が引き続き香港の若い民主派を支援するよう要求した。CECC共同主席を務める共和党のマルコ・ルビオ議員は冒頭で2月に提唱した「香港人権と民主法案」による中国への制裁に言及した。黄氏は昨年11月にもCECCの招きで米国で講演し、ルビオ氏と面会している。

■日清食品、年内にも香港に分離上場

 「出前一丁」や「合味道(カップヌードル)」で香港でもなじみの深い日清食品が、香港市場で分離上場することがほぼ確定した。5月3日付香港各紙によると、すでに東京証券取引所で上場済みの同社だが、今回は中国本土および香港での事業を分社化し、香港市場で上場するというもの。早ければ第2四半期中に上場申請を行い、年内にも上場する予定だ。主幹事は野村証券が務め、最高で2億米ドル(15億6000万香港ドル)を調達する見込み。上場目的は中華圏での事業拡大をにらんだものとみられ、同社では2020年までに日本円ベースで537億円の売上高を目標としており、香港内と浙江省に新工場の建設も予定している。

■勃起はわいせつにあらず、一転無罪に

 一度はわいせつ容疑で有罪になった男性が上訴した裁判で、高等法院(高等裁判所)は「勃起は生理反応であり、故意のわいせつにはあたらない」として逆転無罪を言い渡した。5月3日付香港各紙によると、被告(32歳)は昨年8月、家族ぐるみで交際していた友人女性と食事をした後に家に招いた。女性が帰宅する際、被告が間もなく仕事で香港を離れるからハグしようと言うと女性も同意したため、その機会に愛を告白したという。そのときに勃起してしまったのだが、女性は彼を振った上、性器を太ももに押し付けられたと通報した。被告はわいせつ罪で有罪となり、社会奉仕200時間が言い渡されたものの上訴。裁判官は被告の主張を認め、生理反応の勃起はコントロール不可能なことで、被告が故意にわいせつ行為をしたとは言い切れないとして無罪を言い渡した。

■学者ら18人、「真の本土派」提唱

 近年の本土派、自決派、独立派の台頭への懸念から学者ら18人が本当の「本土」の意味を探る共著『我們是香港真本土(われわれこそ香港の真の本土派)』を刊行した。5月5日付香港各紙によると、同書は香港科技大学の雷鼎鳴・教授、香港大学校務委員会の李国章・主席、弁護士の湯家ڤ~氏、財界人のアラン・ジーマン氏、コラムニストの潘麗瓊氏らが執筆。4日に行われた出版記念フォーラムで雷氏は「現在、社会のいわゆる本土派の人たちはすべてニセ本土派。彼らの言行は社会の安定を破壊するだけ」と非難。これらの人たちは「本土」という言葉でポピュリズム(人民主義)や排他主義の思想を覆い隠しているだけと指摘し、「仮に香港独立が発生すれば住宅価格は楽観的にみて90%下落するが、そのときは多くの人が失業し、安い住宅すら買えない」と述べた。また潘氏は青年新政のシナ発言や香港衆志の黄之鋒氏が米国に干渉を求めていることなどを挙げ、いわゆる本土派の行動は植民地懐古や「反中国、欧米崇拝」に過ぎないと批判した。

■年収90万ドル超が18万人

 失業率の低水準が続き労働市場が良好であることを反映する中、年収が90万ドルを超える高所得者が18万人に達することが分かった。5月3日付香港各紙が伝えた税務局の資料によると、2015/16年度の納税者数は185万2000人。このうち年収が90万ドルより多いのは納税者数の9.8%に当たる18万2000人だった。11/12年度は納税者数の7.8%だったことから、4年間で5万4000人増えたことになる。一方、年収が20万ドルに満たない人は、11/12年度の47万人(納税者数の28.8%)から15/16年度は40万2000人(納税者数の21.7%)まで減った。15/16年度の納税者数のうち最も多い割合を占めたのは年収20万1ドル〜30万ドル(納税者数の23.1%)だった。

■香港市民の海外移住、過去3年で最高

 特区政府保安局の見積もりでは昨年海外に移住した香港市民は過去3年で最高となったもようだ。5月5日付香港各紙によると、保安局は海外移住のため警務処に犯罪記録証明を申請した人の数や他の資料から移住者数を推計。2016年は7600人に上り、14年の6900人から10%増。最も多い移住先は米国の2800人で、15年の2100人から30%増、11年以降で最高となった。続いてオーストラリアが2100人、カナダが1000人となっている。ただし保安局は「犯罪記録証明を受領した人すべてが移住ビザを取得できたわけではなく、移住ビザを取得した人すべてが移住したわけではない」と強調した。香港城市大学の宋立功氏は「セントラル占拠行動の発生以降、社会の対立、亀裂が収まらず、政府の統治は問題が生じ、住宅価格は高騰を続けるなどで移住しか選択がない人もいる」と分析。さらには学校に政治が浸透してきて子女の学業に影響することを懸念しての移住も指摘されている。

67暴動50周年、中央に再評価求める

 6・7暴動から50周年を迎え、5月7日には粉嶺和合石墳場で追悼活動が行われた。8日付香港各紙によると、6・7暴動は1967年5月に新蒲崗の造花工場での労使紛争が引き金となって左派暴動に発展、51人が死亡、約800人が負傷、約2000人が逮捕された。粉嶺和合石墳場には暴動による死者16人が埋葬されており、大部分は警官に射殺されたという。かつての暴動参加者らが組織した67動力研究社は約120人で粉嶺和合石墳場を墓参。代表の陳仕源氏は「6・7暴動の参加者らは暴徒ではなく反帝国主義、反植民地主義の愛国者」と強調し、追悼活動の目的は真相究明だと指摘した。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)代表の呉亮星氏も「暴動は香港政庁による暴力的鎮圧が引き起こしたもの。警察による殺人の責任を追及すべき」と指摘。3月の全人代で事件の再評価を提案し、中央が重視していたことを明らかにした。

■香港人の日本旅行、無料につられ金密輸

 無料で日本旅行ができるとの誘い文句で、香港市民が純金の運び屋となり逮捕される事例が頻発している。5月8日付『りんご日報』によると、これは日本の財務省が発表した密輸に関するリポートで明らかになったもの。2015年7月〜16年6月において294件の純金の密輸が確認されており、そのうち半数近い135件(45%)が香港からの密輸で占められているという。情報筋の話によると、主犯は日本の暴力団で、ネットで日本旅行を希望する学生などの若者を募り、チケット代やホテル代、小遣い金などと引き換えに純金の密輸をさせるという手口。背景としては円安による日本国内での純金の需要増のほか、日本と香港では純金の価格差が1キログラムで3万ドル程度と決して小さくないことが挙げられる。若者の日本旅行人気もあり、運び屋のなり手は後を絶たない状況だが、日本領事館では、無料で日本旅行ができるなど甘い言葉に惑わされないよう注意を呼びかけている。

■2018年の公休日を発表

 特区政府は5月5日、2018年の公休日を発表。18年は旧正月、イースターともに4連休となる。5月5日付政府広報によると、旧正月三日と特区成立記念日が日曜に当たるため、翌日(月曜)を振替休日とした。18年の公休日は毎週日曜のほか、以下の通り。1月1日(正月元日)、2月16日(旧正月元日)、2月17日(旧正月三日)、2月19日(旧正月四日)、3月30日(キリスト受難の日)、3月31日(キリスト受難の日の翌日)、4月2日(イースターマンデー)、4月5日(清明節)、5月1日(メーデー)、5月22日(仏誕節)、6月18日(端午節)、7月2日(特区成立記念日の翌日)、9月25日(中秋節の翌日)、10月1日(国慶節)、10月17日(重陽節)、12月25日(クリスマス)、12月26日(クリスマス翌日のボクシングデー)。

■クレカ支払いの義務どこまで?

 消費者委員会がクレジットカード使用時の返金に関する規定を調査したところ、クレジット会社によって対応がまちまちで統一性がないことがわかり、政府に対し対応を求めた。5月10日付香港各紙によると、これは同委員会が香港内のクレジット会社16社に対し返金に関する調査を行い判明したもの。スポーツジムのカリフォルニア・フィットネスの先の倒産で、分割払いの途中でも払い続けなければならなくなった事例を紹介。同じ銀行のカードにであるにもかかわらず、職員によって返金期限の説明が2~18カ月と統一性に欠け、かつ対応も曖昧であると批判した。実際、同スポーツジムの支払いに対し返金を求めたのは68人にも上るが、現時点で返金が実現したのはわずか1人のみ。調査結果を踏まえ、同委員会では特区政府に対し、商店や法人が閉店あるいは倒産となった場合のルールの明文化などの対応を求めている。

■中文大の寮で学生が強姦未遂

 5月9日、香港中文大学の学生寮で男子学生が大麻を吸い、女子学生を強姦しようとする事件が起きた。10日付香港各紙によると、逮捕されたのは韓国籍の男子学生2人(ともに21歳)。2人は同じく韓国籍の女子学生(23歳)と9日午前4時ごろに図書館そばで落ち合い、大麻を吸い始めた。しかし男子学生の1人が大麻の影響なのか突然失調し、女子学生を無理やり部屋に連れ帰り、裸になって強姦しようとしたほか、口淫を迫ったという。女子は抵抗して逃げたものの、男子は裸のまま寮内を徘徊し騒いだため、通報を受けた警察が身柄を拘束。裸になった男子はわいせつ容疑で逮捕、もう1人の男子は部屋から少量の大麻が発見されたため毒物所持容疑で逮捕された。女子は抵抗した際に男子にひっかかれたり、かみつかれてケガをし、病院で治療を受けている。

■前科30超の強姦魔、拘留中に自殺

 九龍湾で5月7日に帰宅途中の女子学生が強姦された事件の容疑者が5月10日、逮捕された。しかし、警察署内に拘留中に首つり自殺を図り、11日午後死亡が確認された。5月11日付香港各紙によると、容疑者は幼いころからさまざまな犯罪に手を染め、前科が30を超えるという48歳の男だ。事件当日は犯行後に女学生から奪った銀行カードで現金を引き出そうとしたがすでに被害届が出されていたため失敗。警察はこのときのATMの防犯カメラや事件現場付近のカメラの映像を基に容疑者を割り出し、10日に秀茂坪団地の容疑者の住居付近で身柄を確保した。警察が調べたカメラは約500台、映像は1000本にも及び、24時間体制で解析を進めていた。容疑者が初めて犯罪行為をしたのは9歳のときで、その後も窃盗、毒物の売買、使用などを繰り返し、刑務所を出たり入ったりの人生だった。性犯罪は今回が初犯だという。10日午前の逮捕後、秀茂坪警察署内に拘留されていたが、11日午前に室内でコンピューターのケーブルを使って首をつっているのが見つかり病院に運ばれたが死亡。使用したケーブルは容疑者の所持品だったのか警察のものなのか調査中という。

■モール清掃員の時給、平均38.1ドル

 労働団体が行った調査でショッピングモールの清掃員の時給は平均38.1ドルであることが分かった。4月27日付『香港経済日報』によると、関注生活工資連盟が2016年末から今年初めにかけて、各大手デベロッパー傘下のショッピングモール36カ所で働く清掃員177人を対象に調査を行ったところ、時給の平均が38.1ドルだと分かった。最も時給が高かったのは九倉(ワーフ)傘下のモールで40.5ドルで、最も低い水準だったのは領展(リンク)傘下の34.3ドル、港鉄(MTRC)の34.5ドルだった。

■香港の住宅価格、6割「まだ上がる」

 6割を超える香港市民が香港の住宅価格は今後も上昇し続けると考えていることがわかった。4月28日付香港各紙によると、これはシティバンクが無作為に抽出した市民500人を対象に、住宅価格について四半期ごとの意識調査を行っているもの。その中の、今後一年間で住宅価格はどうなると思うかの設問に関して、前期比で19ポイント増の62%が「上がり続ける」と回答、2010年の調査開始以来で最高の数字となった。逆に「下がる」との答えは前期比で10ポイント下落し、過去最低の9%となった。実際に不動産購入の好機と捉えてる人は3%と少なく、77%は現在は好機ではないと回答した。

■父娘相姦、弟が動画発見し通報

 実の親子でありながら性的関係をもった父と娘の裁判が4月26日開かれた。28日付香港各紙によると、2人の被告は59歳で漢方医の父とその娘26歳。2人は2009年5月から15年12月に性行為におよんだ容疑がかけられている。禁断の愛が発覚したのは、15年夏に当時中学生だった息子が帰宅したときに、シャワーを浴びている姉と裸の父を見つけて疑念が生じ、父親が眼鏡ケースに隠していた数枚の記録メディアをチェックしたことがきっかけ。その中に父と姉が性交している動画があっため、ソーシャルワーカーに相談の上、通報。2人は同年11月に逮捕された。父と母は13年に離婚しているが、離婚前から関係をもっていたようだ。乱倫罪で起訴された父、刑事犯罪条例の第48条「16歳以上の女性の乱倫」で起訴された娘、ともに罪状を認めている。

そごう食品売り場がリニューアルオープン


銅鑼湾SOGOの地下2階食品売り場「Fresh mart」が4月22日、リニューアルオープンした。日本からは9社が初出店。そのうちの一つ、東京で人気のキッシュ専門店「Quiche Yoroizuka」の海外第1号店がオープンした。21日にプレスプレビューが行われ、世界的パティシェ で「Quiche Yoroizuka」のオーナーシェフである鎧塚俊彦氏も来港。同店は昨年4月に都内にオープンするとたちまち大人気となり、ピーク時には1日平 均2000個以上を売り上げ、現在都内には、南青山、澁谷、池袋の3店舗を展開している。鎧塚氏は「香港初のキッシュ専門店として、香港の皆さ んのために最高品質の美味しいキッシュをお届けしたい。香港限定エクアドルショコラキッシュが新店の火付け役となって香港で今までになかったキッシュブームが巻き起こると嬉しい」と述べた。香港店ではデリキッシュ3種、スイーツキッシュ2種の5つ の味を販売(25ドル〜)。デリキッシュはワインなどにアルコールにあわせて、またスイーツは常温または冷やし て食べると食後のスイーツとして楽しめる。     (写真:楢橋里彩)

食品見本市「HOFEX2017」が開催


香港で隔年開催される国際総合食品見本市「HOFEX 2017」が5月8〜11日、香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで開催された。このイベントはアジア有数の食品・ホスピタリティー展示会で、世界各国のホスピタリティー機器や用品なども展示された。今回は72カ国・地域から2500社・団体が出展。ジャパンパビリオンには30社・団体が出展。運営するJETROは、日本産食品や食関連サービスなど日本の食の魅力をストーリーとして訴求するため「Stories from JAPAN」をテーマに設定、プロのライター起用やオープンスペース主体のブースデザインなど、新たな取り組みを通して香港およびアジア市場への新規参入・販路拡大を目指す出品者を支援した。30周年を迎えた同イベントでは日本を「パートナーカントリー」として位置付け、ジェトロではジャパンパビリオン出展のほか、日本産食材のPRイベントも開催。初日は中華料理/西洋料理×日本酒の組み合わせを提案するペアリング会が開催された。
(写真:楢橋里彩)

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