幼稚園に刃物男、35年前の惨事の記憶【香港―社会】

5月22日、観塘の秀茂坪にある団地「順天邨」内の幼稚園に刃物を持った男が現れ一時騒然となったが、警官がけん銃を構えつつ説得にあたり、最終的に男は投降した。5月23日付香港各紙によると、22日昼過ぎ、園児たち約100人が昼食中に、男が幼稚園を訪問。息子を迎えに来たと言うものの、はだしのままでうつろな目をしており、教諭が今日は登園していないと伝えると激昂し、刃物を持って周囲を徘徊し始めたという。危険を感じた校長は幼稚園を施錠して警察に通報。男女4人の警官が駆け付け、警棒と盾を構えたところ、男が「死にたい」と叫んだため、警官2人がけん銃を向けて男に「刃物を捨てなさい。落ち着いて!」と説得した。やがて男は投降し、攻撃性武器所持容疑で逮捕された。男は失業中で妻と不仲になり、妻が次男を連れて中国本土にある実家に帰ったため精神的に追い詰められていたようだ。香港では1982年に精神疾患の男が自身の母と妹を刺殺した後に幼稚園を襲撃した殺傷事件が起きている。当時、亡くなった6人のうち4人が園児で、負傷者は44人に達した。香港市民にはこの悲しい事件の記憶が今も強く残っており、今回の事件発生時には大きな緊張が走ったという。【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=17369

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