特区政府医院管理局がボディビルダーの薬物濫用に注意をうながしている。5月17日付香港各紙が伝えた医院管理局の統計によると、美しい体をつくるために薬物を使用して臓器・器官を損傷したケースは過去約7年で5、6件確認されている。プリンス・オブ・ウエールズ・ホスピタル中毒センターの医師の話では、最も深刻だったのは38歳の男性が男性ホルモンの一種「デヒドロエピアンドステロン」と「テオブロミン」を服用したケースで、高血圧やタンパク尿のほか、腎疾患の巣状糸球体硬化症を起こし、腎臓移植をすることになったという。一方、ボディビル大会に間に合わせるため、数カ月内にステロイドや成長ホルモンなど13種類の薬物を注射・経口投与した34歳の男性は、肺水腫や低血糖で集中治療室に搬送された。彼らは、友人・コーチの紹介やネットで海外から薬物を取り寄せており、香港の医師による処方箋を使って入手したわけではなかった。米国ではボディビルダーの8割がアナボリック・アンドロジェニック・ステロイドを使って筋肉をつくり、うち20%が6、7種類を使っているとの研究報告もあるという。医学界では、薬物の濫用は甚大な副作用を及ぼす恐れがあると指摘。薬物に頼らず飲食管理と運動で体を鍛えるよう注意をうながしている。【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=13682