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4月18〜27日のニュースから抜粋
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■百万長者14%増、88万人で新記録
香港で百万長者が増加している。4月20日付香港各紙によると、これはシティバンクがまとめた2016年の富裕層についてのリポートであきらかになったもの。流動資産1000万ドル以上の千万長者は5万9000人と前年とほぼ変わっていないものの、100万ドル以上の百万長者は87万8000人と、前年比で14%増と著しい伸びを示しているという。ちなみに千万長者の流動資産額の中央値は2000万ドル。現在人口737万人の香港で124人に1人が千万長者で、平均年齢は58歳、無職が53%を占め、47%の在職のうち51%は自営業、35%は専門職となっている。注目すべきは千万長者のうち4%にあたる2360人が学生である点で、これについて同行の林智剛・零售銀行業務主管は「千万長者の家庭に生まれた子女がすでに親の資産を受け継いでいることを示している」と分析、「金のさじをくわえて生まれてきたようなもの」と表現した。
■行政長官選後初の民主派デモは300人
民主派団体の民間人権陣線は4月23日、行政長官選挙が終わってから初めてとなるデモ行進を開催した。24日付香港各紙によると、デモ隊は銅鑼湾東角道(そごう横)から次期行政長官弁公室のあるセントラルの冠君大厦まで行進。参加者は主催者発表でわずか300人、警察の推計ではピーク時に320人だった。社会民主連線(社民連)の梁国雄氏(長毛)、人民力量の陳志全氏、香港衆志の羅冠聡氏、無所属の朱凱廸氏と劉小麗氏ら立法会議員は12人が参加。民主党議員は許智峯氏だけだった。スローガンには「貧富の差、社会の亀裂、政府・財界・先住民・暴力団の癒着、どうして和解できよう」を掲げ、普通選挙実現、基本法23条に基づく立法の反対、法定労働時間の制定、市民皆年金制度などを要求した。梁振英・行政長官が当選した直後の2012年4月1日のデモには主催者発表で1万5000人、警察の推計でピーク時に5300人が参加したのに比べると大幅に減少。だが梁国雄氏は、董建華・元行政長官の当選後のデモは10人足らずだったことを挙げ、今回の参加者数に満足と表明した。
■犬と交わった男、禁固7カ月
ランタオ島でメスの野良犬をレイプした男の裁判が西九龍裁判法院で4月21日行われ、禁固7カ月の有罪判決が言い渡された。4月22日付香港各紙によると、被告(58歳既婚)は2月1日に東涌黄龍坑石澗付近でメス犬と交わったほか、2月10日の初公判出廷後に裁判所の門前で被告を追いかけたメディアの撮影記者を襲撃したことでも起訴されていた。7カ月の刑期の内訳は、6カ月が獣姦罪、1カ月が襲撃罪によるものだ。被告は初公判から一貫して罪状を認めていたものの、「あの犬と交わるよう命令する女性の声が聞こえた」と釈明。弁護側は犯行当時、被告は酔っていてアルコールの影響があったと主張していた。香港で獣姦によって有罪が確定したのはこれが2例目。2000年にホンハムの公衆トイレで犬をレイプした男に禁固2カ月が確定した例があるしかし4月21日の公判で裁判官は、今回は区域法院によって裁かれる民事事件であり、2000年の案件は刑事事件だったため今回の案件に影響を及ぼす判例とはならないと解説している。
■カンボジア人家政婦、9月から起用
特区政府がカンボジア人家政婦に対するビザ給付の緩和を3月に開始したばかりだが、彼女たちが香港で働ける日も近いようだ。4月25日付香港各紙によると、カンボジア政府は家政婦に対し、5月から本国で広東語や調理、介護など3カ月間にわたる研修を開始する予定で、早ければ9月からの就業が可能だという。香港の家政婦仲介業者のうち、同国家政婦のサポートを予定しているのは現在10社。仲介予定のないの業者からは対応が早急すぎるとの指摘もあるが、カンボジア政府から関連業務を委託されている香港柬埔寨人力資源発展協会の廖永興・主席は「東南アジア地域の中でも香港で働く家政婦の月給は550米ドルと最高レベルで、自国で働く家政婦の153米ドルをはるかに凌ぐ。また香港は急速な人口高齢化に直面しており、まさに『ウィン—ウィン』の関係が築けるはず」と同国家政婦の浸透に自信をみせる。