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海外でも高評価の観察映画
想田監督に聞く『選挙2』
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主人公の「山さん」 |
3月末から開催された第38回香港国際映画祭で、想田和弘監督の「観察映画」第5弾であ る『選挙2』が上映された。想田監督は同映画祭のドキュメンタリー映画部門の審査員として来港。自作の上映会にも参加した監督に「観察映画」と『選挙2』 について話を聞いた。(取材・綾部浩司/写真提供・Laboratory X)
——観察映画とはどのようなものですか?
観察映画とは、撮影に台本を作らず、目の前の現実を撮影と編集を通じてつぶさに観察し、その過程で得られた発見に基づいて映画を作るドキュメンタリー制 作の方法論です。
出来上がった映画には、ナレーションや説明テロップ、BGMなどを基本的に使用しません。観客に自分の目で観察・解釈の時間を与える ために、ショットを普通より長めにしています。ショットが短ければ短いほど、作り手の操作の強度が高くなり、映像は多義性を失っていきます。テレビ番組の 制作現場にはびこっている「台本至上主義」と「分かりやすさ至上主義」がまさしくそうで、観察映画はそれと相反する制作方法です。
——『選挙2』はどのように撮影したのですか?
主人公の「山さん」こと山内和彦さんは前作の『選挙』では小泉自民党の組織力と徹底的なドブ板戦で川崎市議会補欠選挙に初当選しました。しかし『選挙 2』では組織なし、カネなし、カンバンなし、準備もなし。選挙カーや事務所を使わず、タスキや握手も封印。選挙の総予算は、ポスターと印刷代の8万 4720円のみ。まったく違った選挙運動で山さんは果たして選挙に勝ち目はあるか、ということを観察した映画です。
撮影は2011年4月3日から4月11日までの合計9日間のみ。約41時間分の映像素材を元に編集作業を始めたのは自民党の衆議院選直後の2012年12月23日で、編集完了したのは、奇しくも2013年3月11日でした。
——上映会では観客のQ&Aにも応じていましたね。
香港国際映画祭には何度も招かれるたび、観客の方々が非常に熱心に私の映画を見てくださることを実感します。上映後のQ&Aでは作り手の私自身がハッ! とするような質問や感想を述べてくださるので、香港での上映は本当に楽しいです。
「知られざる日本の選挙の裏側」に迫った2本の映画は香港でも注目を集め、今回は香港国際映画祭と同時期に香港大学で観察映画第1弾である『選挙』が上映 された。想田監督の作品や観察映画については監督の著書『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)を、映画になった「山さん」こと山内和 彦氏の活動については山内氏の著書『自民党で選挙と議員をやりました』(角川SSC新書)を参考にされたい。また想田監督はオフィシャルサイトなどでさ まざまな情報を配信している。
公式サイト:www.laboratoryx.us/
twitter: https://twitter.com/KazuhiroSoda
Facebook:https://www.facebook.com/kazuhiro.soda.9
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