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最新号の内容 -20130621 No:1385
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6・4集会と7・1デモ
セントラル占拠前哨戦

 

 香港市民支援愛国民主運動連合会(支連会)は6月4日、1989年の天安門事件による犠牲者を追悼する6・4キャンドル集会をビクトリア公園で行った。24周年を迎えた今年の参加者数は主催者発表、警察の推計ともに昨年を下回った。6・4集会の動向は同じく民主派団体が7月1日に行う7・1デモの規模を占うといわれるが、今年の6・4集会は大雨で中断されたこともあり参加者数はあいまいだ。今年の7・1デモは終着点を例年の特区政府本庁舎ではなくセントラルに変更し、普通選挙をめぐって計画されているセントラル占拠行動の予行演習になるともみられている。(編集部・江藤和輝)
 

大雨で中断した6・4集会。7・1デモへの参加を呼びかけた 

 

中断された天安門追悼集会

  支連会の李卓人・主席は今年の参加者数について事前に昨年の18万人を下回る15万人との予測を発表していた。夜8時の開始時間とともに大雨が降ってきたため集会は遅れて始まったが、悪天候によりわずか30分で打ち切られた。参加者数は主催者発表で15万人、警察の推計では5万4000人だった。

 支連会は当初、天安門事件の再評価を訴えるほかに「愛国愛民、香港精神」をスローガンに掲げていた。だが「愛国」に対して反感を抱いた地元派がボイコットを呼びかけたほか、「天安門の母」発起人である丁子霖氏からも批判を受けた。李主席は「愛国は愛党と同じではない」と強調し、香港の普通選挙と中国本土の人権を勝ち取るのは同じ抗争だと指摘したが、参加者の減少を懸念し5月31日に「愛国」のスローガン取り下げを発表した。

 だが支連会に対抗し他の場所で追悼活動を行う組織も現れ、追悼活動は分裂の様相を呈した。ネット上で組織された「港人自決、藍色起義」は4日夜8時に尖沙咀の時計塔前で追悼活動を行い約500人が参加。また別の団体「香港人優先」のメンバー約10人は同日夜に中央人民政府駐香港特区連絡弁公室(中連弁)前でバーベキューを行う追悼活動を実施。五星紅旗に見立てたハムを焼くなどで中国政府への不満を示した。

 支連会は集会に先駆けた5月26日、天安門事件を追悼するデモ行進を開催した。デモ隊はコーズウェイベイからアドミラルティーの特区政府本庁舎前まで行進。参加者は主催者発表で1600人、警察の推計ではピーク時に1200人。こちらも昨年の主催者発表2100人、警察の推計1300人に比べ減少した。デモに参加した学民思潮(国民教育反対運動の学生グループ)などのメンバーは政府本庁舎からさらに中連弁まで行進。車道の使用を要求して車道に横たわるなどで警察と約1時間対峙した後、歩道で行進を続けた。同区間のデモは事前申請がなかったことから警察は刑事責任の追及を示唆した。先には急進民主派議員が違法デモ行為で有罪判決を受けた。セントラル占拠行動への警戒から、当局は無届けのデモ活動に厳しく対処することが予想される。




 

 

梁長官「違法行為容認せず」

  6・4集会に続く民主派の政治イベントとして11年目を迎える7・1デモは今年、終着点を特区政府本庁舎ではなくセントラルにする計画だ。今回のテーマは「普通選挙の即時実現」や「セントラル占拠」などで、スローガンには「梁振英・行政長官の辞任要求」「洗脳反対」「労働搾取反対」などを掲げる。ビクトリア公園からセントラルまで行進し、遮打道や皇后像広場で夜10時まで集会を行う。デモの申請人数は5万人で、先のストライキで注目された港湾コンテナターミナルの作業員と学生グループが先頭に立つ。

 主催者である民間人権陣線の王浩賢・副召集人は終着点をセントラルに変えたことについて「普通選挙を実現する鍵となる時期を迎えたため」と説明。「セントラル占拠行動」の実施を1年後に控えて予行演習を行うともみられているが、デモは警察に申請するためセントラル占拠行動のような違法行為ではないと強調した。ただし集会にはセントラル占拠行動の発起人である香港大学の戴耀廷・副教授らを招いて理念を説明するほか、デモで集める募金はすべてセントラル占拠行動に充てるという。主催者は夜10時に集会が終了しても参加者が現場を離れなければ個人の責任だと述べており、過激な行動に発展する懸念はぬぐえない。

 6月9日にはセントラル占拠行動の準備活動に当たる初討論会が行われた。討論会には支持者600人余りと香港大学民意研究計画が無作為抽出して招待した市民95人が出席し、予定していた600人を上回った。民主派各党からも多くの代表が出席。討論の後、宣伝強化や全市民運動への発展、実施時期の確定など今後数カ月に検討する7大議題がまとめられ、早ければ10月に第2回討論会を行う。

 梁振英・行政長官は同日、米国訪問前に記者会見に応じ、「特区政府が公開諮問を開始していないのに社会秩序を破壊する違法行為を行うのは、違法行為自体が動機と思わせる。セントラル占拠が発生すれば平和で済むはずはない」と述べ、違法行為を容認しない姿勢を示した。

 梁長官は先の立法会答弁ではセントラル占拠行動の影響を「予測できない」と述べていたが、最近、親政府派関係者と会った際に政府内部の予測を明らかにしたという。セントラル占拠行動に2000人が参加し、MTRの出入り口や主要道路をふさげばセントラルはマヒし深刻な影響をもたらすため、親政府派に世論戦での協力を求めている(5月31日付『香港経済日報』)。政府内では危機感が高まっているようだ。