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最新号の内容 -20130204 No:3158
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大気汚染、専門家は「SARSより恐ろしい」と警告

 

 中国各地で有害物質を含んだ霧が発生し、市民生活や経済への影響に懸念が強まっている。最も深刻な北京市では、肺がんなどにつながる大気中の微粒子「PM2.5」が観測史上で最高を記録し、「史上最悪の大気汚染」と呼ばれている。呼吸器疾病の著名な専門家、鐘南山氏は今回の大気汚染について、「SARS(重症急性呼吸器症候群)より恐ろしい」と警告している。中国では自動車の排ガスや工場の排煙などでかねて大気汚染が社会問題となっているが、毎年冬には暖房用石炭の消費で汚染がさらに拡大する傾向がある。また、今年は厳冬や風の少ない気象の影響で例年よりも一段と深刻化している状況だ。先の鐘氏は中国中央テレビ局(CCTV)の取材に対し、北京ではここ10年で肺がんの件数が60%増えていると説明。これは非常に衝撃的な数字だとし、大気汚染がその原因の一つだと指摘した。その上で「大気汚染はSARSよりも恐ろしい。SARSは病人を隔離すれば良いが、大気汚染からは逃げることができない」と述べている。(フィスコ提供)