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最新号の内容 -20130201 No:3157
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「ヒラリー退場」で米中関係に春到来か?

 

 ヒラリー・クリントン氏はあす2月1日、約4年間にわたって務めた米国務長官の職を退任する。後任はジョン・ケリー上院議員。香港紙は“親中派”とされるケリー氏の登場で「米中関係に春到来か?」と報じている。同紙は、クリントン氏が国務長官になる前から“北京のウケが良くなかった”としている。1995年に北京で開かれた国連の世界女性会議では、「人権は女性の権利」などと発言。人権問題に敏感な中国の神経を逆なでしたとしている。国務長官に就任した後も、日本や韓国、フィリピンなどとの連携を重視し、その対中戦略は“冷戦時代”のものと見なされていたという。さらに最近では、尖閣諸島問題を巡って日本の施政権を認める発言を行っており、これに対して中国外交部は強い不満を示している。そうした中で、中国側が後任のケリー氏に寄せる期待は大きいようだ。中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は、「クリントン氏と違い、ケリー氏は外交経験が豊富」と指摘。よりバランスの取れた手段で、中国とのコミュニケーションを図るとみている。では当のケリー氏はと言えば、中国との関係構築に強い意欲を示す一方で、尖閣問題などを巡っては米中間に隔たりがあるともコメントしている。香港紙は、ケリー氏が国務長官に就任しても大幅な歩み寄りは期待できない可能性も残ると指摘している。(フィスコ提供)