日本のメディアは先週、シャープ<6753>が中国・南京市（江蘇省）の液晶テレビ組み立て工場をレノボ・グループ（00992/HK）に売却すると報じた。シャープはこれについて「決定した事実はない」とのコメントを発表。ただ、中国の一部メディア（22日付）では、「レノボは買収に前向き」との分析記事も見られる。レノボにとってはテレビ事業強化の「近道」になるとの見方からだ。レノボは主力のパソコン事業の成長伸び悩みが懸念される中で、近年はスマートフォンやタブレット端末を強化するなど経営の多角化を推進。昨年5月には自社初のスマートテレビ「Kシリーズ」を発表した。ただ、テレビの自社工場を持たないことが、スマートテレビ事業の拡大において難点になると指摘されている。そうした中でシャープの南京工場のような「完成された工場」を買収すれば、事業拡大の上で大きな弾みとなる見通し。ただ、できるだけ良い価格で売りたいシャープに対して、レノボは買収コストをできるだけ低く抑えたいであろうことから、仮に両社が交渉を進めたとしても「価格」がネックとなる可能性が高いとみられている。（フィスコ提供）