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日本とのつながりはとても大切と話したメルクル氏(撮影・Andrea Lander/取材協力・Hong Kong Philharmonic Orchestra |
ドイツ人指揮者の準・メルクル氏が6月8・9日、香港フィルハーモニックと共演し、サンサーンスのピアノ協奏曲第5番などのフランス音楽を演奏した。2013年1月にも来港を予定している同氏に話を聞いた。 (取材と文・綾部浩司/構成・編集部)
—香港訪問は初めてですか?
1979年に学生の時に初めて来港し、今回は2回目です。当時は木造の中国船を見掛けたり、古い空港でしたので、今とは全く違う香港でした。でも、魅了的でわくわくする、そしてとてもチャレンジングな都市という印象は当時も今も変わりませんね。ただ30年前の啓徳空港への着陸の瞬間はまさしくスペクタクラーという感じで、忘れられません。
—初共演となった香港フィルの印象は?
オーケストラはとてもフレキシブルで、音楽監督のエド・デ・ワールトの薫陶を強く感じました。音色がとてもクリアですが、今回取り上げるフランス音楽については異なる方向性で音楽をつくり上げてきました。私の音楽的な要求に対して、オーケストラのメンバーは心を開いて順応性をもって応えてくれました。
—ドイツ人の父と日本人の母を持つご自身として、今回のフランス音楽にはどのような態度で臨みましたか?
指揮者になる前の私はピアニストで、フランス音楽に傾倒していました。指揮者になり、リヨンオーケストラの音楽監督になって以来、フランス音楽をフランスのオーケストラと演奏することでさまざま発見が出来ました。具体的には、ドイツという外側の視点からフランス音楽の成り立ちを見ることができ、私の中の日本の側面からは音楽の色彩の微妙で細やかな流れを読み取ることができたと思います。
—NHK交響楽団や水戸室内楽団とは10数年来頻繁に共演していますが、ご自身が日本人の流れをくむからでしょうか?
日本とのつながりは私にとってとても重要です。まず日本は私の「伝統、財産、賜物、至宝」の1つだからです。そして生まれ育ったドイツの作品、フランスの作品、さらに日本の作品を日本の音楽家と日本で演奏することは(日本文化にはあまり造詣が深くないものの)大変重要で、とても楽しいことです。
—来年1月の香港フィルとの再共演では、今回のプログラムと異なり前半はフランス音楽、後半は最もドイツ的な音楽ともいうべきブラームスの交響曲第1番を演奏しますね。全く異なるのタイプの作品を前半と後半にそれぞれおかれていますが、オーケストラの音色をつくるにあたってどのような準備を?
来年のコンサートプログラムは前半はすべてフランス音楽、後半はブラームスにしています。これには理由があり、オーケストラにとって前半に軽い音色を出し、後半に重い音色を奏でるのは問題ないのですが、それが逆だと非常に難しいからなのです。
皆大好きハッピーアワー
夏の夜を楽しもう
コーズウェイベイのワールドトレードセンター内にある「Hooray Bar & Restaurant」では、9月までさまざまな企画のハッピーアワーを行っている。その内容、実施時間、料金などは曜日によって異なり、例えば月曜と水曜は、「Triple H」と題して、サンミゲルを1本48ドルで、ステラのドラフトビールを88ドルで提供。日曜は「アーリーカクテルサンデー」で、すべてのカクテルを1杯88ドルに設定している(ただし、いずれもミニマムチャージ128ドル)。問い合わせは2895-0885まで。
素敵な夜景とおいしいお酒で、夏の夜のリラックスしたひとときを楽しんでみては。
イタリアよりシェフ来港
ワインとのペアリングを満喫
コンラッド香港8Fにあるイタリアレストラン「Nicholini's」では、7月12〜21日にイタリアから招いたシェフMacchia氏のセレクションによるスペシャルメニューが楽しめる。アラカルトのほか、ワインとのぺアリング5コースメニュー(1388ドル)も用意している。
Macchia氏は現在イタリア北部にあるミシュラン1つ星レストラン「La Credenza」でシェフを務めており、現代的な手法を取り入れた同氏の得意料理は、「レッドペッパー、アンチョビ入りバセリソースのリゾット」「牛ほお肉煮込み」など。また、7月12日には「ワインペアリングガラディナー」を開催。同氏の手掛けた8コースメニューが提供される。イタリア料理とワインを心ゆくまで堪能できそうだ。
予約・問い合わせは2521-3838まで。
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